石塚元章 ニュースマン!!

数字を埋めるパズルが世界中でブームに「数独」の魅力

コロナ禍でおうち時間が増える中、パズルを楽しむ人が増えていますが、その中でも高い人気を誇っているのが「数独」。

ルールに沿ってマス目に数字を埋めていくパズルですが、2月19日放送『石塚元章 ニュースマン!!』では、一般社団法人日本数独協会代表理事、後藤好文さんに数独の歴史や魅力などについてお話を伺いました。

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「数独」に正式名称があった

数独はもともとナンバープレイスというパズルを1984年(昭和59年)日本に紹介したもので、「数独」の名付け親はパズル制作会社ニコリの代表、鍜治真起さん。

なぜ、「数独」という名前になったのでしょうか。

後藤さん「数独は縦9列横9列81マスで成り立ってますけど、どの縦列どの横列にも1から9の数字が1個ずつ入るんですね。

1個はシングル、シングルは独身、独身ということで『数字は独身に限る』というのが、元々の名前だった。

最初の1年か2年はその名前で行ったんですけど、長ったらしいということで、読者が勝手に『数独』と言い出して。

私ども編集部の方もそっちで行こうと」
 

イギリスで大人気に

数独という名前になったものの、80年代、90年代はパズル好きの方には知られているというぐらいの知名度でした。

それがイギリスで2004年(平成16年)にブームとなってから世界中に広がり、日本にも逆輸入という形で火がつきました。

なぜ、イギリスで人気が出たのでしょうか。

後藤さん「イギリス人はクロスワードとか、パズル好きなんですね。私も面白いと思ったが、イギリス文化ってすごくアメリカやオーストラリア、カナダとかの人で受け入れやすいんですね。ビートルズとかがまさにそうだったように。最後にフランスとかヨーロッパに広まって」

今や外国でも「Sudoku」という名前で知られています。
 

脳の活性化に役立つ

1から9の数字を埋めていくというルールは数独のどの問題でも同じで、ある程度解くと飽きそうな印象を受けますが、多くの人が何問もチャレンジしてハマっていくというのは、どのような魅力があるのでしょうか。

後藤さん「やっぱり解いていくと上達するんですね。この上達していく加減が楽しくなってしまって、難しい問題もどんどん解けるようになる。これがハマっていっちゃう理由だと思いますね」

後藤さんは高齢者向けに数独の講座を開いていますが、1番良いのが数字をいろいろ考えた後、答えに気がつき脳が活性化することだそうです。

後藤さん「私たちはだんだん歳をとってくるとなんでもわかっちゃって、新しいことや驚きがなくなる。

数独は大したことはないんですけど、数字を入れた時に『あっ!ここ2じゃない?なんで気がつかなかったんだろう』って、これが脳の活性化につながってると思うんですね」
 

数独に集中することの効果

脳の活性化以外にも、数独に集中することで別の効能もあるようです。

かつて東日本大震災の時、家や船が流され茫然自失とされている方々に対し、被災者の方をサポートするNPO法人の方から連絡を受けた後藤さんが、岩手県大槌町で数独を薦めたことがあったそうです。

その後、被災者の高齢者の方から「数独をしてる時だけが、すべてを忘れられる」と言われ、「逃げなのかもしれないですが、忘れることも大事」と感じたそうです。

他にも病院の待合室で数独をされていた方からも、「検査の結果を聞く前で、考えたくないから数独をしてるんです」と言われたそうで、つらいことに直面した時は、時には違うことで気を紛らわせるのは大事なのかもしれません。
 

テスト誕生のきっかけ

大槌町の高齢者の方々に数独が広まり上手になっていくうちに、いつしか「テストを行って欲しい」という要望が出てきたそうです。

最初は鍜治さんも後藤さんも「パズルは楽しむものであり、クリア時間に関係なく自由に楽しんでほしい」という考えから、テストには消極的だったそうですが、テスト問題を作り、級や認定証を作ると、大槌町の方々にとても喜んでもらえたそうです。

それなら全国にも喜ぶ人はいるのではないかと思い、日本数独協会を立ち上げ、今や数独実力テストが実施されています。

そして、この経験を元に高齢者の方向けの本『じぃじとばぁば ようこそ数独!』(ニコリ)が生まれました。
 

パズルは難しいほど良いと思っていた

この本の巻末には、鍜治さんはこの本を作ろうと思ったきっかけが書かれています。

後藤さん「パズルはある程度、難しくなきゃいけないと思ってたんですよ。あんまり簡単だと読者をバカにしてると思ってたんですね。

ところが大槌町をきっかけに、もっともっと優しいパズルを必要としている人たちがいる。

『解いてみろ』という問題よりも、『解いてください』という問題が必要だったんだと。
それはやはり、大槌町の高齢者の方が解いた時の笑顔ですね。それで、解けるパズルを作ろうと」

テストは10歳のこどもが1級を取得したり、99歳の方が7級を取得したりと、年齢を問わず幅広く挑戦されています。

後藤さんは今後パズルを楽しむのにあたり、「若い方には行き詰まったら突破するのではなくて、いったん引いてみるとか横から攻めてみるとか、柔軟な発想をしていただきたいと。高齢者の方には全部わかっちゃったんじゃなく、あなたにもわからないことがありますよと。解いた時の楽しさや喜びを味わっていただきたいと思います」と語りました。
(岡本)
 
石塚元章 ニュースマン!!
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2022年02月19日08時13分~抜粋

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