石塚元章 ニュースマン!!

30年後、認知症の人数が世界で最大3倍の試算…日本は何倍?

「日本では高齢化社会がどんどん進んでいる」と言われて随分と経ちますが、寿命が伸びるというのは、本来は喜ばしいこと。

しかし、健康面や年金問題など不安が先行しているのが現状です。

『石塚元章 ニュースマン!!』の「石塚トレンド 今日の数字」コーナーでは、CBC論説室特別解説委員の石塚元章が、この週起きたニュースにまつわる数字を取りあげ、渡辺美香アナウンサーとともに解説しています。

1月8日の放送で石塚が選んだ数字は、「1億5300万人」。

老後の不安の1つともいえる人数であり、今から約30年後に予測されている世界全体でのある人数のことを指しているのですが、ややショッキングな数字です。

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30年間で3倍に

アメリカのワシントン大などで構成される研究チームは、6日付の英医学誌ランセットの姉妹誌に、世界各国が認知症を減らす対策を取らないままでいると、認知症患者が2019年の5700万人から、2050年までに推計1億5300万人へと約3倍まで増えるという研究結果を発表しました。

環境の改善などにより、世界全体から見ても長生きする人が増える一方で、たとえ身体は動かせて健康であったとしても、脳の衰え自体は抑えることはできません。

では、認知症の人が増えるという予測はどのようにして立てられたのかといいますと、まずは認知症の要因を洗い出すことで、今後、その要因が減るのかどうかということを調査。

認知症の要因としては、肥満の人はなりやすい、タバコを吸っている人はなりやすい、教育レベルが低いことがあげられます。

それらに対して何も手を打たないでいると、世界全体で認知症の人数は増え続けるというわけです。
 

世界で急激に増加する中、日本は?

ただ、国や地域によって増加幅には大きな差があり、中東やアフリカでは10倍を超える国も。
倍率が上位の3か国はカタールで20.26倍、以下、18.95倍のアラブ首長国連邦、11.84倍のバーレーンと続きます。

その一方で、日本は1.3倍を切る程度の増加にとどまっています。
これは教育環境や生活習慣の見直しなど、リスク軽減策の効果が出ることが想定されるためとしていて、少し安心できる材料ともいえます。

しかし、それでも現在の412万人から524万人にまで増えると試算されています。

最近、脳のタンパク質を取り除くことで認知症を抑えることができるという研究結果が発表され、認知症に効く薬への期待が高まっています。

現時点ではまず、認知症の原因を減らすための予防策を講じることが重要となりそうです。

石塚「世界中で3倍と言っている中で日本は1.3倍ですから、増えるのは増えるけど世界レベルから行くと比較的少ない。

それでも2050年には520万人が日本でも認知症患者ということなので、何らかの形で対応が必要だよねという、ちょっと厳しい数字でもあると」

そして、最後に石塚は「少子化ですから、認知になられた方たちの面倒を見る方の数はどんどん減っていくという形になりますよね」と、厳しい見通しを示しました。
(岡本)
 
石塚元章 ニュースマン!!
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2022年01月08日08時41分~抜粋

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