石塚元章 ニュースマン!!

藤井聡太竜王の師匠・杉本昌隆八段に聞く!今年と未来の棋界

2021年の将棋界は藤井聡太竜王が大活躍し、先日、序列1位となったことが発表されました。

12月11日放送『石塚元章 ニュースマン!!』では、藤井竜王の師匠としても知られる杉本昌隆八段が出演。

9月4日にも出演した杉本八段に、あらためて藤井竜王の活躍ぶりを振り返るとともに、今後の棋界について尋ねました。
ここでは、その一部を掲載します。

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藤井竜王の成長を感じたこと

藤井竜王は現在4つのタイトルを保持していますが、2つは防衛、2つは新たに獲得したもの。

当然、タイトル戦の相手は強い方々にもかかわらず、特に竜王戦は4連勝で奪取するなど、好調ぶりを発揮しました。

杉本八段「藤井竜王はプロになって通算勝率が8割を超えてるんですけど、全然勝率が下がらないですね。タイトルに挑戦すると、普通は勝率は下がるんですよ。
(竜王戦の4連勝も)予想以上ですね」

ここで、杉本八段に藤井竜王の成長について感じたことがあったかについて尋ねたところ、対局以外で思うところがあったそうです。

杉本八段「初めの頃は着付けを頼んでたらしいですけど、最近は自分で着られるようになったようで」

これからいろいろなタイトルの対局に臨むとなると、和服を着る機会も増えそうです。

杉本八段「藤井竜王は今いくつ持ってるのかな(と思って)、去年和服を1着プレゼントしたんですけど、『タイトルを獲るたびに、こういうのするんですか?』って聞かれて。
それだとこちらの事情として(笑)。
めったに獲らないんでしたらいいですけど、常にタイトルを増やすから彼は。1着で我慢してもらいました(笑)」

将棋をよく知らない人に向けて、よく食事やおやつがクローズアップされますが、今後は着物も気になりそうです。
 

強さの秘訣は?

ここで石塚が「藤井竜王はなぜここまで強いのか?」と直球の質問。

杉本八段「なかなか一言ではお答えしにくいですけど、現状に満足していないことというか、常に一歩でも上に行きたいという気持ちを持ってるからですね。

私たちがよく使う言葉に『もういいやと思ってからが本当の勉強だ』というのがありまして。
その1日よく勉強して、『今日はよくやった』と思って、そこから先が本当の勉強というか、そこで終わっちゃうのは普通の人で」

渡辺美香アナウンサー「筋トレも同じですね。ギリギリまでやってここで終わり、あと2回やりましょうっていって、やると強くなる」

杉本八段「藤井竜王はそれがごく自然にそれができるタイプですね。そもそも勉強と思ってないというか、めいっぱいやった後に楽しむ気持ちでやれるから。
理屈じゃないので、楽しめる人はやっぱり強いですよ」

藤井世代に期待

さらに藤井竜王の活躍が期待されますが、これからの将棋界はどうなるのかについても、お伺いしました。

杉本八段「藤井竜王に代表されるように、10代で若くして強くなる人も増えているんですね。

藤井世代といわれる新しいプロが増え始めていますから、ますます来年活性化して、10代、20代の人の活躍が顕著になると思います」

渡辺「藤井世代が強い理由はあるんですか」

杉本八段「これはAIじゃないかな。今、最新の技術を自分の家で手に入れちゃう時代なんですね。

私がこどもの頃は、将棋会館のある東京か大阪まで行って、プロの人の将棋を自分の目で見て勉強したものですけど、今の人は自分の家でインターネットにつないだりすれば、最新の情報が手に入る時代ですね。今は若い人とか、地方に住んでる人もできるという」

藤井竜王も愛知県瀬戸市出身ですが、周りにすごく強い人がいたわけではない環境の中で習得が早かった理由は、AIだけではないかもしれません。
しかしネットなどで情報が入手しやすかったということがあるのではないか、と推測されました。
 

AIは将棋界を変える?

AIがもたらす影響は、将棋界にとってはプラスに働くのでしょうか?

杉本八段「いいことだと思いますよ。やっぱり今までになかった感性をAIは持っているので、自分たちが今まで常識だと思っていたのが、AIを見ることによって、実は全然違う考えもあったんだなと。
私が今50代ですけど、考えさせられるんで。

正直、刺激も強いと思いますけど、それをうまく活用する。その辺を年長者が指導してあげるのが大事だと思います。

まるまるAIの手をマネするのは良くないですけど、そういう発想を吸収するのは良いことですから」

新しい世代によって、これからさらに将棋が発展しそうです。
(岡本)
 
石塚元章 ニュースマン!!
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2021年12月11日08時14分~抜粋

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