石塚元章 ニュースマン!!

東京五輪で物議。近代五種から「馬術」が消える?

国際近代五種連合(UIPM)は、2028年のロサンゼルスオリンピックから「馬術」を除外すると発表しました。

11月6日放送の『石塚元章 ニュースマン!!』「スポーツニュースマン」のコーナーでは、種目変更の裏側にある、東京オリンピックで問題視された出来事について、石塚元章が解説しました。

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お金がかかる「スポーツの王様」

「近代五種って言えます?5種目」と尋ねる石塚に、「全然言えないですね」と渡辺美香アナウンサー。

近代五種の種目は、フェンシング、水泳、射撃、ランニング、馬術。しかし、実際にこの5種目をすらすらと言える人は少ないのではないでしょうか。

1912年のストックホルムオリンピックからスタートした近代五種は、この5種目の合計得点を競う競技。特徴が異なる5種目を1日で行う過酷な競技で、「スポーツの王様」「キング・オブ・スポーツ」とも呼ばれています。

「ヨーロッパでは、貴族とかお金持ちがやるんでね。この5つ全部やったら、特に馬術とか射撃ってお金かかるもんね。日本だと麻生さんぐらいしかやってないんじゃないかって、そんなことはないけど(笑)」とジョークを言う石塚。

お金がかかることから、競技者のすそ野が広がらないといった問題点もありました。
 

泣きながら馬を叩いた選手

事の発端は、東京オリンピックでのある出来事。

五種競技で金メダルが有力視されていたドイツの女子選手が馬を上手に操れず、泣きながら馬をムチで叩いたり、コーチが馬を殴ったりしたことから、物議を醸しました。

このこともあり、「馬術をやめて新しい近代五種にしよう」という動きが高まったといいます。

通常、馬術競技は自分が練習してきた馬を使用しますが、近代五種で乗る馬は、主催者が用意した中から抽選で選ばれたものを使います。

練習する暇もない上、相性が良くない場合でもその馬に乗るしかありません。

不公平感をなくすための措置ではありましたが、このことが東京五オリンピックではマイナスに表れてしまったのです。

「難しいですよね、馬って生き物だから。道具を抽選で選ぶのとちょっと違ってさ、“馬なり”の考えもきっとあるでしょうから」と石塚。

馬は生き物。バットやボールなどの道具とは、話が全く異なるのです。
 

「それはほぼトライアスロン」

現在、馬術との入れ替え候補になっている競技は「自転車」。これを聞いた渡辺は「また一から自転車…」と思わず苦笑してしまいます。

2012年のロンドンオリンピックに出場した阪部(旧姓 黒須)成美さんは、「それはほぼトライアスロン」と鋭い指摘をし、「近代五種のオリジナリティーに関わること」と危機感を口にしています。

「どうなるんでしょうか。動物愛護、虐待しちゃいけない、これは確かです。でもスポーツをどうするかという、難しい順列・組み合わせをやらないといけない近代五種となっております」と語った石塚でした。
(minto)
 
石塚元章 ニュースマン!!
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2021年11月06日07時30分~抜粋

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