石塚元章 ニュースマン!!

ジョージ・ガーシュイン作品の著作権が来年「復活」する理由

『石塚元章 ニュースマン!!』「石塚トレンド 今日の数字」コーナーでは、CBC論説室の特別解説委員・石塚元章が、今週のニュースにちなんだ数字を選び、紹介しています。

9月11日の放送で取り上げた数字は「337曲」。これはアメリカの作曲家ジョージ・ガーシュインが作った曲にまつわる数字です。

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日本人が15年連続の受賞!

「今日の数字」の発表の前に、リスナーから寄せられた予想を石塚が発表します。

この日、多かった答えは「15」。これは、人々を笑わせ考えさせたユニークな研究に贈られる「イグ・ノーベル賞」に関する数字です。

今月10日、スマートフォンを見ながら歩く人がいると、集団全体の歩行速度が遅くなることを実験で突き止めた京都工芸繊維大学の村上久助教らが、「動力学賞」を受賞しました。

日本人がこの「イグ・ノーベル賞」を受賞するのは実に15年連続! とてつもない快挙です。

「これも興味深いニュースでございますけど、ここで読むということは違っちゃった」と石塚。

往年の名曲「サマータイム」

今週のニュースから石塚が選んだ数字は「337曲」。

アメリカ人ジャズボーカリスト、サラ・ヴォーンが歌う、ブラジリアンアレンジされた「サマータイム」にのせて、石塚が語ります。

「美香さんも歌うでしょ?サマータイム」と尋ねる石塚に、「好きですね」と答える渡辺美香アナウンサー。

「黒人の苦しい生活を歌っている歌ですけれども。オペラでも歌い、ジャズでも歌い、ポップスでも歌い、こんなアレンジもあるという」と、渡辺は楽曲の振り幅の広さに感心した様子。

「サマータイム」は、アメリカの作曲家ジョージ・ガーシュインが手掛けた作品です。
 

著作権料の徴収再開を発表

1937年に若くして亡くなったジョージ・ガーシュイン。日本において彼の作品は、死後61年後(没後50年に戦時加算)の1998年に著作権が消滅。
その後はパブリックドメイン(共有財産)となり、コンサートでの演奏やCD発売といった商業利用でも著作権料の支払いは不要となっていました。

この「サマータイム」も同様です。

ところがこのほど、日本音楽著作権協会(JASRAC)は、ジョージ・ガーシュインが作曲した337曲について、来年1月から著作権料の徴収再開を発表しました。

一旦消滅した著作権が復活するのは極めて異例なこと。なぜこういった事態が起こってしまったのでしょうか。
 

2053年まで延長

それは、ジョージ・ガーシュインの兄、アイラ・ガーシュインの存在にありました。

アイラも同じ音楽家。来年から著作権が復活する337曲に関して、ジョージ単独での作品ではなく、アイラとの共作だったことが証明されたのです。

アイラは1983年に死去。著作権は現在のルールでは死後70年間続くため、「誰かが私を見つめている」「アイ・ガット・リズム」、そしてこの「サマータイム」を含む337曲の著作権は2053年までの延長が決定しました。

来年1月以降、これらの楽曲を使用する際は著作権料を払う必要があります。
 

「これまでの人はラッキー」

多作だったジョージ・ガーシュイン。

「ジョージ・ガーシュインだけでアルバムを出してる人なんて、ジャズの方でここ数年たくさんいらっしゃったんで。これまでの人はラッキーですよね」と渡辺。

これまで使用してきた分について追徴金を払う必要はありませんが、来年以降は注意が必要です。

ちなみに有名な「ラプソディー・イン・ブルー」や「パリのアメリカ人」は、アイラとの共作ではないため、今後も使用料が発生することはありません。
(minto)
 
石塚元章 ニュースマン!!
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2021年09月11日08時40分~抜粋

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