8月12日、野球映画の名作『フィールド・オブ・ドリームス』の舞台となったアイオワ州ダイアーズビルに作られた特設球場で、ホワイトソックス対ヤンキースのメジャー公式戦が行なわれました。
8月28日放送の『石塚元章 ニュースマン!!』、「スポーツニュースマン」のコーナーでは、石塚元章が映画の世界観が再現されたこの試合について、解説を行いました。
シューレス・ジョーの野球界への未練
1989年に公開された『フィールド・オブ・ドリームス』は、名優ケビン・コスナーが主演を務めた野球映画です。
「いい映画ですね~」と、しみじみ語る石塚。
この映画の原作は、WP・キンセラの小説『シューレス・ジョー』。
1919年、ホワイトソックス対レッズのワールドシリーズでの八百長(ブラックソックス事件)によって野球界を永久追放となった、「シューレス・ジョー」ことジョー・ジャクソンの野球への未練をモチーフにした作品です。
アイオワの農夫である主人公が、「If you build it, he will come(それを作れば、彼は来る)」という謎の声に導かれ、トウモロコシ畑の中に野球場を作ることに。
野球界を追放された、すでに亡くなっているはずのシューレス・ジョーらホワイトソックスの名選手たちが、そのトウモロコシ畑から現れて試合をする…というファンタジックなストーリーです。
トウモロコシ畑の真ん中の球場
この映画のロケ地となったトウモロコシ畑の真ん中に、収容人数わずか8,000人ほどの小さな球場が作られました。
この日、この場所で、ケビン・コスナーに続いて復刻ユニフォームを着たホワイトソックスとヤンキースの選手が、映画同様トウモロコシ畑からゆっくりと登場する演出が行われたのです。
試合は9回裏、ティム・アンダーソンがトウモロコシ畑に飛び込むサヨナラ2ランを放ち、ホワイトソックスが劇的勝利!
この試合は約600万人が視聴し、レギュラーシーズンとしては2005年以降最高となる視聴率を記録しました。
アメリカのスポーツの歴史を垣間見る
今から約100年前に起こった「ブラックソックス事件」。ホワイトソックスの選手たちの八百長から皮肉を込めて名付けられた、全米を震撼させた事件です。
ホワイトソックスの主力8選手が賄賂を受け取り、わざと試合に負けた容疑で刑事告訴されましたが、裁判では無罪が決定。本当に八百長があったかどうかはグレーのまま、現在に至っています。
「シューレス・ジョーは人気選手で、アメリカ人はこの事件に深い思い入れがある。(この試合は)アメリカのひとつのスポーツの歴史を垣間見るよう」と感慨深げに語る石塚。
来季もこのトウモロコシ畑の球場で、カブス対レッズの公式戦が予定されています。
先日、NBCユニバーサルの動画配信サービス「ピーコック」が、テレビドラマ版のフィールド・オブ・ドリームス』シーズン1の制作を正式発注したという発表もありました。
今後の展開から、まだまだ目が離せません。
(minto)
石塚元章 ニュースマン!!
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2021年08月28日07時32分~抜粋