石塚元章 ニュースマン!!

「手をあげて道路を横断する」のは交通マナーじゃない!?

「歩行者が信号機のない場所で道路を渡る時、しなければならないことといえば何でしょう?」、答えは「手をあげること」。

「そんなの当たり前のクイズを出してどうするの?」と言われそうですが、実はこれ、現在はどこにも規定されていない交通マナーだったことはご存知でしたでしょうか。

6月12日放送『石塚元章 ニュースマン!!』では、交通マナーをまとめている交通教則について、CBC論説室の特別解説委員である石塚元章と、渡辺美香アナウンサーが解説しました。

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40年以上気づかなかった!?

「手をあげて、横断歩道を渡りましょう」というフレーズで、松崎真さんを思い浮かべる人は、おそらく50代以上の方だと思いますが、小さい頃からそう教えられてきましたし、頭に刷り込まれている交通マナーと言えるでしょう。

道路交通法に基づいて、警察庁が交通マナーについてまとめた「交通の方法に関する教則」という、ルールブックのようなものがありますが、実は現時点では記載されていません。

厳密にいいますと昔は記載されていたのですが、1978年(昭和53年)に削除されていた上に、警察庁関係者の方々は40年以上記載されていなかったことに気づいていなかったそうです。

そして、今回教則の改訂版を作成するのにあたり、手をあげて横断する旨の記載が復活することになりました。
 

ルールが消えた謎

なぜ1978年に削除されたのか、一説によれば「道路を横断する時は手をあげるというルールであれば、こどもやお年寄りは逆に『手をあげさえすれば、車は止まってくれる』と考えて、不用意に道路を横断する人が増えてしまい、かえって危なくなるのではないか」というもの。

また、「手をあげることで、タクシーが止まってしまうため困る」という説などがあるそうですが、実際になぜ削除されたのかについて、原因はわかっていません。

石塚「一番ビックリしたのは、43年前に消えてたのに、誰も気づいてなかったってのが。

逆にいうと、それぐらい当たり前のことになってたのかもしれませんが、今はあんまり手をあげて渡る人はいない」

渡辺「(1978年当時と比べて)横断歩道や信号がちゃんとあるってことなのかもしれないですしね」

今よりも交通事故の死亡者が多く、信号の設置数も少なかったので、今は信号のない所で車が普通に走っているところで、そもそも渡ろうと思う人が少ないのかもしれません。
 

車の一時停止率が高い都道府県は?

手をあげて歩道を渡る話で石塚が思い出したのが、長野県は信号機のない横断歩道で、車が一時停止する割合が最も高い都道府県なのですが、その理由の1つにこどもたちへの教育があるということ。

石塚「道路を渡る時に車が止まってくれたら、渡った向こうで『ありがとうございました』って、ドライバーの人たちにおじぎをするというのを教えてるんだって。

そうすると、そのこどもたちが大人になってドライバーになると、道路を渡ろうとしているこどもや人がいると、止まるんだって」

車を止めてイラッとする大人も、さすがにこどもにおじぎをされると、「これからも一時停止をしよう」と思うでしょう。

ルールでしばるのではなく、自然と身に付くマナーであり、良い連鎖ですね。
(岡本)
 
石塚元章 ニュースマン!!
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2021年06月12日08時38分~抜粋

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