石塚元章 ニュースマン!!

東日本大震災から10年…いまだに18%が修復できないものとは?

3月11日は、東日本大震災が発生した日です。

発生から10年経ちますが、あれだけの大きな災害について、いまだに鮮明に覚えているという方も多いのではないでしょうか。

もう10年経ったのか、10年経ってもまだまだなのか、今までの経験や現在の環境などによって、感じ方は人それぞれだと思います。

『石塚元章 ニュースマン!!』の「石塚トレンド 今日の数字」コーナーでは、毎週CBC論説室の特別解説委員・石塚元章が今週起きたニュースの中から関連する数字を選び、渡辺美香アナウンサーとともに解説しています。

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東日本大震災に関する数字

事前に番組宛てには数字を予想するおたよりが届いていて、やはり東日本大震災の関連を予想する方もいらっしゃいました。

「『97,000人』、東日本大震災の被災自治体に派遣された、他の自治体からの職員の数です。そのうちの1人が私の息子です。

1年の予定だったのですが、仕事のキリをつけたいと、2年間行ってました」(Aさん)

そして、3月6日の放送で実際に石塚が選んだ数字は、「251分の45」でした。

やはり東日本大震災に関する数字ですが、10年経ってもまだ震災が終わっていないということを気付かされる数字となっています。
 

18%がまだ未着手

分母の251ですが、これは被災した岩手・宮城・福島の3県の中で市町村が指定した有形文化財のうち、被害を受けた数。

この251点の有形文化財のうち、まだ45点が修復されていない状態になっていると、5日に各紙が報じました。

実に18%弱ほどがまだ修復ができない状態となっていますが、16点は焼失や津波による流失で失くなってしまいました。

また、残りの29点に対し、修復のメドが立っているのが8点で、21点が未対応とのことです。

なかなか修復が進まない理由の1つは、修復費用がかなりかかるということが挙げられます。

それ以外には、破損状況がひどいということや、津波によって海水に浸かったことで塩害を受けてしまったということもあリ、ダメージから修復するには、技術的にかなり大きなハードルがあるのだそう。

例えば、宮城県の女川には江戸時代につくられた金毘羅大権現碑という石碑がありますが、津波で割れてしまいました。

しかし、これを修復するための技術が今わからないという状態になっているそうです。
 

いまだに残る原発事故の影響

そして修復が進まないもう1つの理由が、福島の原発事故により立入禁止区域となっているエリアに残された文化財であるため、簡単に回収に行けないということ。

修復が未対応である21点のうち、8点がその理由となっています。

石塚はあらためて、「災害があるといろんなことが見えてくる。『そうか、文化財も直せないという状況が、10年も経つと見えてくるんだな』ということに気付かされるわけですね」と感じたようです。

10年も経ったのに、まだ修復のメドが立っていない文化財が18%もあり、そのうちでいまだに原発の影響で持ち出せない文化財が8点もある。

いかにあの震災の影響が大きすぎたのかということに、気付かされました。
(岡本)
 
石塚元章 ニュースマン!!
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2021年03月06日08時42分~抜粋

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