石塚元章 ニュースマン!!

平均1億2千万円!日本企業が世界と比べて払いすぎと言われる物とは?

『石塚元章 ニュースマン!!』の「石塚トレンド 今日の数字」コーナーでは、CBC論説室の特別解説委員・石塚元章が今週起きたニュースに関係する数字を選び、渡辺美香アナウンサーとともに解説しています。

11月28日の放送で取りあげた数字は「1億2千万円」、日本の大手企業があることに支払ったとされる金額の平均なのですが、これだけの大金をいったい何に使ったのでしょうか。

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なぜ支払ってしまうのか?

実はこれ、日本の大手企業が支払った身代金の平均金額ですが、身代金といっても、社員が実際に誘拐されたという意味ではありません。

社内のコンピュータシステムがサイバー攻撃された時に支払った身代金のこと。

例えば、悪意のある者からランサムウェアを仕掛けられて、コンピュータウイルスに感染され、会社でコンピュータが使用できなくなった際に、ランサムウェアの作者から「再び使用できるようにしたければ、身代金を払え」と要求されるものです。

この「ランサム」というのは、そのまま身代金という意味。

システムが使えないと仕事が回らないということで、やむなく企業が身代金を払ってしまうというわけです。

ちなみに、『モンスターハンター』などで知られる大手ゲームメーカーのカプコンが、最近、データを流出されたくなかったら身代金を払えと脅迫され、11億円を要求されていることが明らかになり、こちらは支払いを拒否しています。
 

日本企業は払い過ぎ

サイバー対策を手掛けるクラウドストライクというアメリカの会社は、26日、日本やアメリカなど世界12カ国・地域の企業や組織に対し、ランサムウェアによるサイバー攻撃の被害状況などに関する調査結果を発表しました。

その調査によりますと、過去1年以内にランサムウェアによる攻撃を受けた日本企業は、なんと約52%。

しかも、身代金を支払った日本企業の支払額が平均117万ドル(約1億2千万円)にのぼったのですが、アメリカの企業の平均は約99万ドル(約1億円)と、アメリカと比べて、日本の企業は多く払う傾向にあるようです。

クラウドストライクのCTO(最高技術責任者)は、「脅迫が来ても、交渉に応じるな」と警告していますが、「身代金を支払った」と回答した日本企業は32%に上っています。
日本企業の多くは交渉にも応じ、身代金を多めに払っているので、その点ではあまり良くないと言えます。
 

被害者側にさらなる処罰も

渡辺が「そういう国と思われたら、ますます世界中のハッカーから狙われちゃいますよね」と語るとおり、身代金を払ってしまうと、犯罪者集団の資金源になるのはもちろん、何度も狙われることになります。

さらに、場合によっては身代金を払った企業は、被害者にもかかわらず犯罪者集団に加担したとみなされ、他国では有罪となる可能性もあるそうです。

最後に石塚は「大変なんでしょうけど、お金を払って何とかしようとするのはどうも止めた方が良い。でも本来は攻撃が良くないんですけどね」とし、「大変な時代になっています」とまとめました。

いろいろな面でIT化が進む現在、セキュリティ強化の必要性はますます高まりそうです。
(岡本)
 
石塚元章 ニュースマン!!
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2020年11月28日08時36分~抜粋

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