石塚元章 ニュースマン!!

季節の変わり目に関する情報が激減!来年の天気予報が大きく変わる?

ラジオやテレビなどの気象情報において、何気なく聞いている桜の開花日やセミが初めて鳴いた日など、季節の変わり目を伝える情報。

この情報の伝え方が来年から大きく変わることはご存じでしょうか。

11月14日放送『石塚元章 ニュースマン!!』では、「気象庁が生物季節観測の対象項目を削減」というニュースについて、CBC論説室の石塚元章特別論説委員と渡辺美香アナウンサーが解説しました。

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生物季節観測とは?

気象庁は11月10日、生物季節観測について従来の植物34項目・動物23種目から、来年1月より植物6種目9現象にまで対象を縮小させることを発表しました。

生物季節観測とは、全国の気象台や測候所58か所で同じ方法により実施してきた生物の観測のこと。
例年と比べて季節の進みが早いのか遅いのか、他の地域と比べて気候がどう違うのかを把握するためや、私たちに季節の変わり目を知らせるために行われている調査のことです。

よく聞くのは桜が何日に咲いた、かえでがいつ紅葉したといった植物に関する情報や、アブラゼミが初めて鳴いたのはいつかなどといった生きものに関する情報。

実はこれ以外にも今までさまざまな調査が行われていて、チューリップやたんぽぽ、でいごの開花や、アキアカネやホタルを初めて見た日や、ひぐらし、ひばりが鳴いているのを初めて聞いた日などがあります。

これが一気に6種類の植物にまで減るわけですから、逆に何が残ったのか気になるところ。

来年以降も観測が続くのは、あじさいの開花、いちょうの黄葉・落葉、梅の開花、かえでの紅葉・落葉、桜の開花・満開、すすきの開花だそうです。
 

観測対象を減らす理由

この方式での調査は1953年(昭和28年)からずっと行われてきたのですが、なぜ今になって大幅な削減に踏み切ったのでしょうか?

気象庁の発表によれば、近年は気象台や測候所周辺にいる生物の生態環境が変化しているために、適切な場所に標本木(観測対象となる木)を確保することや、動物を見つけることが困難になってきているためだそうです。

ただ、石塚はこれ以外の理由として、「想定通りやろうと思うと、気象庁の担当の方はきっと忙しいと思うんですよ」と、働き方改革を挙げて推測しました。

ちなみに、かつて石塚は松尾芭蕉が詠んだ句「閑さや岩にしみ入る蝉の声」の蝉の種類は何かについて調べた際、この句を詠んだのは新暦だと7月13日で、生物季節観測を使ってみたところ、膨大な量の統計にビックリしたそうです。

それなら、生物季節観測の簡素化は反対かと思いきや、「『風情がなくなって嫌だね』とおっしゃる方は大勢いらっしゃって、それもその通りだと思うんだけど、いろいろ考えたらまあいいかと。自分でセミが鳴いたねと思えれば、それでいいんじゃないかと」とコメント。

さらに「逆にいうと、なんでもかんでもお上に言ってもらわないと、ツバメが来たことにならないっていうのも変かなっていう気がしないでもない」とまとめました。
(岡本)
 
石塚元章 ニュースマン!!
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2020年11月14日07時22分~抜粋

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