石塚元章 ニュースマン!!

「エリーゼのために」はエリーゼのための曲じゃなかった!?

『石塚元章 ニュースマン!! 』、セントラル愛知交響楽団主管のマーシー山本教授が、クラシックの名曲や名作曲家にまつわるびっくりエピソードを紹介する「マーシー山本教授のびっくりクラシック!!」のコーナー。

11月7日の放送では、ベートーヴェンの名曲「エリーゼのために」に隠されたある意外な秘密に迫ります。

マーシー山本教授によると、なんとこの曲は「エリーゼではない別の女性のために作られた曲」。それでは一体、なぜ「エリーゼのために」というタイトルがついているのでしょうか。

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常に“若い”女性が好き

交響曲第5番「運命」に乗せて、マーシー山本教授が語ります。

頑固で偏屈なイメージ通り、「本当に偏屈だった」というベートーヴェン。

生涯独身を貫きましたが、青年時代から晩年まで20歳前後の若い女性を愛する“恋多き男”だった、かわいらしい部分もあったといいます。

「聞き捨てならない!常に若い女性ですね(笑)」とムッとする渡辺美香アナと、「自分より若いというだけじゃなく、本当に若い人!」と驚く石塚元章。

ここでBGMが「エリーゼのために」に変わります。

この曲は、その名の通り「エリーゼ」さんにプレゼントした曲…ではなく、実は別の女性に宛てた曲でした。

ベートーヴェンがこの曲を送った人は、テレーゼ・フォン・マルファッティ。

なんとこの曲の真のタイトルは「エリーゼのために」ではなく、「テレーゼのために」だったのです。
 

エリーゼのため?テレーゼのため?

それではなぜ、テレーゼがエリーゼになってしまったのでしょうか?

楽譜がものすごく汚いことで知られるベートーヴェン。

「どれがドなのか、ミなのか。音符を書いて消してぐちゃぐちゃ」で、出版社は解読のため何度も打ち合わせを重ねるなど苦労が多かったそうです。

結果、出版社が「テレーゼ」を「エリーゼ」と間違えたままこの曲を出版、「エリーゼのために」が世の中に定着してしまったというわけです。

几帳面な性格だったベートーヴェンは、作品に番号をつけてきっちりと自分で管理していました。

しかし、ベートーヴェンの没後に発表されたこの「エリーゼのために」には番号が付いていません。

このことから、ベートーヴェンはこの曲を発表したくなかったのではないかと考えられています。
 

最終的に「タラララー」

その理由は、「テレーゼに振られてしまったから」。

この時テレーゼは18歳、ベートーヴェンはなんと40歳!

ベートーヴェンが22歳年下の愛する少女に宛てたラブレターの内容はこうです。

「いざさらば、敬愛するテレーゼ。この人生のあらゆる素晴らしい、美しいものをあなたにあげたい。私のことを心に留めておいてください」。

強気に愛を語るベートーヴェンですが、このあと急に弱気になり「万一あなたが私のことを気に入らなくても、気に留めなくていいですよ」の言葉でラブレターを締めくくります。

曲と一緒にこのラブレターを送ったものの、この恋は実りませんでした。

「この曲確かに途中ちょっと明るくなりますけど、また最終的に暗い感じで、『タラララー』って終わっちゃいますよね(笑)」と、曲を分析する渡辺。

偏屈で気難しいイメージのベートーヴェンの印象がガラッと変わるエピソード。
これから「エリーゼのために」を聞くときには、ふふっと微笑んでしまうかもしれません。
(minto)
 
石塚元章 ニュースマン!!
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2020年11月07日07時32分~抜粋

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