石塚元章 ニュースマン!!

コロナで不安…手取り収入の何%を貯蓄に回す?

『石塚元章 ニュースマン!!』の1コーナー、「石塚トレンド 今日の数字」では、今週報じられたニュースの中から、CBC論説室の特別解説委員・石塚元章がある数字を選び、渡辺美香アナウンサーと共に解説しています。

9月5日の放送で石塚が取りあげた数字は「8.0%」でした。

[この番組の画像一覧を見る]

19年ぶりの高い貯蓄率

これは4日に発表した内閣府推計の数字で、2020年1~3月期に可処分所得のうち、貯蓄に回った割合のこと。

例えば、手取りの世帯収入が月30万円の場合は、2万4千円分を使わずに取っておいたということになります。

これを自分の家庭に照らし合わせて、多いと見るか少ないと見るかはまちまちだと思いますが、今回この数字が特に注目されているのは、実に19年ぶりの高い水準になっているということ。

専門家の分析によりますと、新型コロナの感染拡大により将来を不安に感じた、あるいは外出自粛や昨秋の消費税増税によりお金を使う額が減ったことなどが理由として挙げられるそうです。

渡辺「巣ごもり消費といわれても、たいして消費してないっていうことなんですね」

石塚「その通りですよ。結局、不安感がやっぱり(大きい)。だって、来月どうなるんだろう、来年どうなるんだろうっていうのは、みんな感じてることなんで。

少し余裕があったら、使うんじゃなくて取っとこうっていう流れが出てる」

次回は4~6月期の統計が発表されますので、新型コロナによる自粛が進んだ時期で、さらに数字が伸びるかもしれません。
 

日本の貯蓄率、実は低い!?

この流れは日本に限らず、世界各国でも起きている現象だそうで、アメリカではなんと4月の貯蓄率が33.0%と、1959年(昭和34年)に統計を開始して以来の最高水準となり、5月も24.2%、6月が19.0%。

アメリカの2月は8.0%だったため、高水準が続いています。

ここでふと思うのが、「日本人は世界の中でも貯金に回す人が多い」というイメージがあったのに、なぜ今アメリカよりも日本の方が、貯蓄率が少ないのでしょうか。

また、日本は8.0%で19年ぶりの高水準というなら、昔はどれぐらいだったのでしょうか。

実は日本も1990年代ぐらいまでは貯蓄率が10%ほどあったそうですが、2000年代以降はおおむね2~4%の間を推移していました。

貯蓄率には何%が正解というものはなく、あまり高すぎると経済が回らないですし、低すぎると不安定な生活を送っている人が増えている証明ということにもなります。

貯蓄率がこの約20年間下がってきた理由として、石塚は「1つは高齢化で、お年を召した方は収入がなくなると、貯蓄を切り崩して消費したり生活したりする。そうすると貯蓄率は下がってくる」と解説。

さらに、「貯蓄率は何で下がるのか、何で高いのかという背景も大きい。今は不安からちょっと使えない人が増えて、貯蓄率が上がっているという状況なんだと思います」と分析しました。

今後、日本の貯蓄率がどこまで上がるのか、気になるところです。
(岡本)
 
石塚元章 ニュースマン!!
この記事をで聴く

2020年09月05日08時37分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報