石塚元章 ニュースマン!!

老舗「ブルックス・ブラザーズ」が破綻!そこから見えてくるものとは?

今週の8日、アメリカの有名ファッションブランド「ブルックス・ブラザーズ」が、日本の民事再生法に相当する「米連邦破産法第11条」の適用をデラウェア州の破産裁判所に申請しました。

ブルックス・ブラザーズといえば、設立が1818年(文政元年)、創業200年を超える老舗ですが、なぜ今破産したのでしょうか。

7月11日放送『石塚元章 ニュースマン!!』では、CBC論説室の石塚元章がファッションのトレンドを絡めつつ、解説しました。

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アメリカ男性ブランドの代表

石塚の若い頃は「アイビー」や「アメトラ」と称して、男性向けのオシャレなブランドとして流行った1つが「ブルックス・ブラザーズ」。

「ボタンダウンシャツ」という、襟の部分がボタンでとまるものを世界で初めて、1896(明治29年)に売り出しています。

創業者の孫がイギリスに行った時、馬を使った競技「ポロ」の選手が競技中に襟をパタパタしていると動きにくいということで、ボタンをつけて止めていたのを見て、「これはオシャレだ!」と感じて、ボタンダウンシャツを開発したそうです。

最初に売り出した時は、「ポロカラーシャツ」、ポロの襟が付いたシャツという名前で呼ばれていたそうですが、今や「ボタンダウンシャツ」の名前で通っています。
 

歴史的場面にもいたブランド

そんな100年以上前にできたシャツですが、いま改めて注目されています。

石塚「クールビズの時にネクタイを外すんで、これがあると襟がパラパラしないんで、ちょっとブームになってたりします」

いま注目されている上に、かつてリンカーン米大統領が暗殺された時に来ていたフロックコートも、ヤルタ会談でルーズベルト米大統領が来ていた海軍用コートもブルックス・ブラザーズだったというぐらい歴史的なブランドが、なぜここへきて破産したのでしょうか?

世間一般がよりカジュアルなファッションを求めてきていて、実際にそこそこ良い物がそこそこ安く手に入る時代になりました。
そのため高級志向ではなくなってきてはいましたが、そこへ来てネット通販の台頭により、販売店が苦境に立たされました。

渡辺美香アナ「ブルックス・ブラザーズは数年前まで(名古屋の繁華街)栄にも路面店がありましたけど、一等地に大理石調で内装にもお金をかけて、見に行く喜びみたいなものを提供してたから、きっとそこにもすごい(お金を)使ってたんだろうなって」
 

新型コロナの影響がここにも

高級向けと一般向けで、ある程度棲み分けはできていたのでしょうが、さらに新型コロナウイルスが世界的に猛威を振るったことで、お店は休業せざるを得なくなりました。

さらに、消費者側も在宅勤務が増えてスーツを着る機会が減ったこともあり、その結果、破産となったようです。

石塚は最後に、今回の破産は1ブランドに限ったことではないとして、「いろんな意味で象徴的なニュースかもしれない。200年以上の伝統を誇ったオシャレなスーツの世界的な会社が破綻に追い込まれつつあるのは、着る物1つ通しても実は世界が見えてくる、経済が見えてくるということがあるなという気がいたします」とまとめました。
(岡本)
 
石塚元章 ニュースマン!!
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2020年07月11日07時23分~抜粋

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