石塚元章 ニュースマン!!

学校に通えないこどもが15億人 新たにわかった問題点

『石塚元章 ニュースマン!!』「石塚トレンド 今日の数字」コーナーでは、CBC論説室の特別解説委員・石塚元章が、今週のニュースにちなんだ数字を選び、渡辺美香アナウンサーとともに紹介しています。

4月18日の放送で取り上げた数字は「15億人」。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、世界でなんと15億人ものこどもたちが学校に通えない状態が続いているそうです。

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休校で教育以外にも問題が

現在、ほとんどの国で全土休校という措置をとっているそうで、こどもたちから勉強の環境を奪っていることになってしまっています。

ただ、今はインターネットとタブレットがあれば家で勉強は可能だという意見もありそうですが、あらためて勉強以外での問題点も浮かび上がってきていて、国連が警告をしています。

1つは学校給食がないことにより、食べる機会も奪われているということ。

学校に行けばお昼だけでもごはんを食べることができるという貧しい国は少なくなく、そのようなこどもたちが3億6千万人ぐらいいるという推計もあるほどです。

また、学校に行けずにずっと家にいなければならない場合、児童虐待やDVの問題が深刻化するということもあります。

外に行けないことや経済的な不安が高まり、ストレスがたまることで、新たに家庭内暴力が発生するということもありますが、もともと児童虐待など家庭に問題がある場合に、その兆候が学校で見つけられないということもあります。

ニュースではたびたび、先生が危険なサインを見逃していたということも報じられてはいますが、やはり学校がこどもを救うケースもありますので、休校によってサインが埋もれてしまう危険もあります。
 

スポーツクラブの切実な問題

また、学校に行けないことで、勉強以外にも運動する機会が失われていることになるのですが、それはこどもだけではありません。

公益財団法人日本スポーツクラブ協会が緊急調査を行ったところ、全国で209か所のクラブから回答があり、すべての活動または大半の活動を休止しているのが85%を超えているという現状です。

どんな影響が起きているのかという問いに対しては、通常の教室やプログラム・イベントの全面的中止や収入の減少という回答が多く、新型コロナウイルスによる概算の損失額は、300万円以上という回答が12%と、スポーツクラブにとって厳しい状況が続いています。

このアンケートで石塚が興味深く感じたのは、「国や自治体から、どんな支援策が必要ですか」という項目で、実は資金の援助よりも回答が多かったものがあります。

それは「消毒液やマスクなどのウイルス拡散防止グッズを無料か安い価格で提供してほしい」というもの。

石塚はあらためて、「スポーツクラブは不要不急という側面があるかもしれない。でも、今やスポーツクラブは重要な役割を地域で担っている側面もある。心身ともに(健康になる)、こういう時だからこそ身体を動かして頑張りたいという人もいるでしょうし」と語りました。

スポーツは娯楽・遊びと捉えられがちですが、ストレス解消だけではなく、健康を保ち、病気を防ぐという点で、この休止が多くの人たちの健康に影響を与えているのかもしれません。
(岡本)
 
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2020年04月18日08時39分~抜粋

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