石塚元章 ニュースマン!!

6年9か月ぶりに「回復」の文字を削除。アベノミクス景気ついに途絶える

『石塚元章 ニュースマン!!』、今週起こったニュースにちなんだ数字をCBC論説室の特別解説委員・石塚元章が解説する「石塚トレンドザ・ナンバー 今日の数字」のコーナー。

3月28日の放送で石塚は、「6年9か月ぶり」という数字を選びました。

これは、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて大打撃を受けた日本経済に関する数字。

国内の個人消費や雇用情勢が急激に悪化している今の日本に、6年9か月ぶりに一体なにが起きたというのでしょうか。

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「世界経済のバロメーター」も過去最悪

石塚による「今日の数字」の発表の前に、まずは番組恒例、リスナーによる「数字予想」です。

「私の数字予想は328。アメリカの失業給付申請が過去最大になって、その件数が328万件だからです」(Aさん)

アメリカの雇用統計は「世界経済のバロメーター」になるといわれています。

この問題について、「こんなに悪い状況は過去にないという状況に落ち込んでいて、トランプ大統領もすごい焦っていて。大変気になる数字であることは間違いない」と述べる石塚。
 

コロナの影響は空港にも

「92人じゃないでしょうか。26日、シカゴから成田に到着した全日空便の乗客76人と乗員16人、合わせて92人。成田空港検疫所は通常の検疫しか行わず、そのまま入国させていたことが判明しました。水際対策のずさんさに恐怖さえ感じました」(Bさん)

このニュースに「オチを聞いてびっくり。時差の計算を間違えていた」と石塚。

日本時間の26日午前0時以降にアメリカを出発した人に検疫の強化をすると決定していましたが、サマータイムの実施で時差の計算を間違えてしまっていたのです。

「サマータイムになったんでね。1時間早まってたんですけど、勘違いしてて。『まだいいや、この便の人たちは』って通したら、『ダメだよ、サマータイムだから』『あっ!』」と、石塚が状況を解説します。

続いても空港繋がりの予想です。

「0です。中部国際空港の国際線の便数が4月1日から0便になりました。コロナウイルスの影響があると思いますが、0便になるとは思ってもみませんでした」(Cさん・Dさん)

実はこの日の前の晩まで、今週の数字をこの「0」にしようかと思っていたという石塚。

CさんとDさん、正解まであと一歩でした。
 

ついに消えた「回復」の文字

石塚が選んだ今週の数字は「6年9か月ぶり」。

この数字を聞いて「ああーあのニュースね」と思い当たる人がいるのではないかと石塚。

2012年12月に発足した第2次安倍政権は、ご存じ「アベノミクス」を打ち立てて経済活動を行い、まずまずの効果があったといわれています。

2013年7月、政府が打ち出す月例経済報告に「回復」という文言が載るようになりました。

そしてこれ以降、毎月の月例経済報告に「回復」という文字が必ず載るようになっていたのです。

しかし、今年3月の月例経済報告では、ついにこの「回復」の文字が消えてしまいました。
 

課題の多い経済政策

これは実に6年9か月ぶりのこと。

しかし経済の学者や専門家の中には、「実はもう少し前に消えていてもよかったかもしれない」と分析している方もいます。

消費税増税や、米中貿易戦争の世界的な影響などもあり、本当はもっと前から日本経済は「回復」してはいなかったというのです。

「まだいいよ、まだいいよ」とここまで引っ張ってきたものの、オリンピックの延期を含む新型コロナウイルスの影響を受けて、ついに日本経済が後退期に入ってきたとの見立てがなされました。

政府は4月に緊急経済対策を発表して、新型コロナによる影響を経済的にも抑え込みたいとしています。

「検査が遅れたりとか、『経済を守りたい』というストッパーになってしまっていたという。命優先にする難しさ」と、政府の考え方を代弁する渡辺美香アナ。

「本当に困っている人を助けるための経済政策、景気をなんとかするための経済政策、いろいろある。そのあたりも踏まえて政府がどういう対策を打ち出せるのか。課題は多いと思いますけど、うまくいくのかどうか」と、危惧する石塚でした。
(minto)
 
石塚元章 ニュースマン!!
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2020年03月28日08時37分~抜粋

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