石塚元章 ニュースマン!!

IT系、文具メーカー…日本の有名企業で合併話が相次ぐ原因は?

その週に起こったできごとや話題のニュースをピックアップし、わかりやすく解説する『石塚元章 ニュースマン!!』。
11月16日の放送では「ヤフーとLINE、コクヨとぺんてる、相次ぐ企業の合併話」というニュースを取り上げ、CBC論説室の石塚元章と渡辺美香アナウンサーが解説しました。

大企業や有名な会社であれば、生き残りをかけた合併は必要がないように思われるのですが、なぜ今、合併話が続々と持ち上がっているのでしょうか?
そこには、将来日本が抱える大きな問題と関係があるようです。

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巨大IT企業への対抗

今週、ヤフーを運営するZホールディングスと、メッセージアプリで有名なLINEが、経営統合に向けた交渉を行っているとのニュースが流れました。

どちらも利用者の多いITサービスを提供している会社ですが、合併のメリットはお互いの弱みを保管することができること。

ヤフーはポータルサイトやネット検索には強いのですが、ネット通販はアマゾンや楽天などの後塵を拝している状態。利用者も比較的高齢者が多いのが特徴です。

逆にLINEは若い人を中心に浸透しており、メッセージのやりとりはもちろんのこと、この記事もLINEニュースで見ているという方もいらっしゃるでしょう。

しかし、業績自体は伸び悩んでいる状態です。

この2社が組むと利用者が1億人を超える企業となりますが、その目的は世界的な巨大IT企業への対抗。

Googl』、Apple、Facebook、Amazonの頭文字を取った『GAFA』と呼ばれる企業に加え、最近では中国の巨大IT企業も台頭してきています。

検索エンジンで有名なバイドゥ、通販大手のアリババ、メッセージアプリのテンセントの3社で、こちらは『BAT』と呼ばれています。

ただ膨大な個人情報が特定の企業に集まり過ぎるので規制が必要という話も出ています。
企業側は今後、個人情報取り扱いの規制にどう対応していくか、考える必要があります。

文具メーカーどうしの争い

そして今週、国内で別の業界でも合併話がニュースとなりました。

大手文具メーカー・コクヨが、クレヨンなどを手掛けるぺんてるを子会社化する計画があると発表しました。

コクヨはすでにぺんてるの株式を約37%直接保有する筆頭株主ですが、その保有率をさらに過半数にまで引き上げようとしています。
これに対し、ぺんてるは反発しているという状態です。

コクヨはなぜ今回、子会社化に向けた動きをしているのか?
それは、コクヨに次ぐシェアをもつ文具メーカー・プラスと資本提携しようとした、ぺんてるの動きが発覚したからではないかと言われています。

この2社は文房具同士で競合しているように見えるのですが、実はコクヨは特にノートやルーズリーフが売れており、ぺんてるはサインペンなどに強いメーカー。

さらに、コクヨは国内市場に強く、ぺんてるは売上の約3分の2が海外と、ある意味理想的な合併の組み合わせといえます。

企業合併の背景

こうした合併話が持ち上がっているのは、企業の弱みを補完するとともに、別の背景もあります。

それは、少子高齢化。人口減少にともなって将来、日本の市場が縮小していき、さらにITの活用が進むことで、文房具が今よりも売れなくなっていくのではないかという懸念があります。

少子高齢化とITが及ぼす経済への影響といえば、この日のニュースコーナーで、愛知県豊橋市にある『ほの国百貨店』が来年3月で閉店すると伝えていました。

前身を含め45年ほど営業してきましたが、少子高齢化とネット通販などにより、売上が低迷したのが原因だそうですが、IT技術が今後も企業の業態や人々の生活などを大きく変えていきそうです。
(岡本)
石塚元章 ニュースマン!!
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2019年11月16日07時21分~抜粋

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