石塚元章 ニュースマン!!

再びISが動き出す!?トルコ軍がシリアに侵攻した背景とは?

石塚元章 ニュースマン!!』では、その週に起こったできごとや話題のニュースをピックアップしています。

10月12日の放送では「トルコ軍がシリアに侵攻」というニュースを取り上げました。その背景にはいったい、何があるのでしょうか。
CBC論説室の石塚元章渡辺美香アナウンサーがわかりやすく解説しました。

国家を持たない民族

9日、トルコ軍は南の国境からシリアに侵入し、クルド人勢力を攻撃していると伝えられました。
まずは石塚がクルド人について解説しました。

クルド人は独自の文化や言語を持った山岳民族で、約3,000万人ほど。

「独自の国家を持っていない最大の民族」と言われており、トルコやシリア、イラク、イランなどの広い地域で生活をしています。

なぜ国家がないのかというと、中東では第1次世界大戦後にイギリス・フランス・ロシアなどが話し合いをして、勝手に国境の線引きをしたのですが、その時にクルド人は置いてきぼりになってしまったためです。

各国に分かれて住んでいるため、クルド人自体は多いのですが、国ごとでは少数民族という扱いになります。

クルド人からすると、「自治を認めて欲しい」「独立させて欲しい」という思いから運動を起こすのですが、そうすると政府と衝突することになります。

現在の混乱の原因は?

ここで最近、ポイントとなるのが、IS(イスラム国)の存在です。
イスラム教の中の過激な組織ですが、数年前からシリアの中で勢力を強めて国を新たに作ってきました。

このISを壊滅させるためにヨーロッパ諸国などが攻撃に参加したのですが、なかなかうまくいきません。

イスラム国はその後弱体化するのですが、石塚はその理由のひとつとして、米軍がバックアップしつつ、クルド人の軍隊が前線に立って戦ったことを挙げました。

しかしその後、アメリカのトランプ大統領は自分の選挙に勝ちたいため、国内であまり関心のない中東情勢に力を入れなくなり、トルコからアメリカ軍を引き上げると言い出します。

クルド人からすると、米軍のバックアップがなくなり、はしごを外されたような形となります。

トルコのエルドアン大統領はそこに目をつけました。
軍隊をシリアに投入してクルド人を攻撃し、シリアの中に非武装地帯を作り、シリアからトルコに逃げてきた難民を追い出して、そこに住まわせる政策を考えているとのことです。

今後考えられる懸念

トルコ側が攻撃の理由として主張しているのは、クルド人の中にテロ組織がいると見なしている点です。

石塚「それぞれの国では反政府運動をやったりするので、確かにテロ組織のようになっているクルド人の組織もないわけではない。でも今みたいな歴史とか全体を見ると、今回のはしごの外し方と、都合の良い使い方は、いくらなんでもと。
国際社会はアメリカにもトルコにも割と批判的ですが、ロシアやシリアもクルド人に手を貸そうとしていて、"都合良く使われるクルド人"というキーワードがあるかもしれません」

また、今回の侵攻により、壊滅状態に追い込まれていたISが息を吹き返すのではないかという見方もあり、そちらも心配なところです。

最後に石塚は、「全体を見渡して、各国のリーダーは動いていないのが背景という気もします」とまとめました。
(岡本)
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2019年10月12日07時21分~抜粋

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