石塚元章 ニュースマン!!

学芸員が教えます。水族館のルーツは2千年前にあった!

9月7日放送『石塚元章 ニュースマン!!』では、三重県にある鳥羽水族館の学芸員・杉本幹さんをゲストに迎え、日本や世界の水族館に関する歴史など、楽しいお話を伺いました。

聞き手は、CBC論説室の石塚元章渡辺美香アナウンサーです。

水族館が作られた最初の目的は?

今や全国に100か所以上ある水族館ですが、そもそもどこが発祥で、いつごろ何のためにできたものなのでしょうか。

世界で初めて水族館ができたのは約2000年前、古代ローマ帝国にはすでにあったそうで、当然ガラスの水槽はなく、池で飼っていたそうです。

ただし、魚を見せるためというよりは、捕まえたものを食用にするためにとっておく、いけすのような役割だったそうです。

それを観賞用としたのは、18世紀から19世紀頃のイギリスが最初と言われています。

観賞用となったのは、世界中の生き物を見せることで、自分たちの権力を示すことが目的だったようです。

その後、30年ぐらいかかってアメリカや日本にも広がったとされています。

日本初の水族館は1882年に開園した上野動物園が開業から半年後に作ったコーナーで、水槽が10個ぐらい。当時は「魚のぞき」という名前だったそうです。

水族館は食用の保存が観賞用となり、今は研究目的や絶滅しそうな生きものを守るためと、時代が進むにつれて目的が移り変わっているのがわかります。

これは、技術の進歩によって水族館の目的を高度にすることができたという側面もあります。

昔は輸送の途中に死んでしまったり、研究が進んでいなかったので飼育の仕方が良くなかったり、ろ過設備がなく水温調節ができなかったりして長く生きられないということがありましたが、今や環境も良くなり、水族館で長く生きることができるようになりました。

生きものはどこからやってくる?

日本で最初の水族館は水槽が10個だけでしたが、例えば現在の鳥羽水族館では約1,200種類の生きものが暮らしています。

ここで気になるのが、「水族館の生きものはどうやって手に入れるのか?」ということ。

杉本さんはその方法について、いくつかのパターンを挙げました。
身近なところでは、地元の漁師さんから「変わったものが捕れたよ」という連絡を受けて、持ってきてもらうというもの。

その他には、生きものを取り扱う専門業者から入手するケースや、水族館の方が自ら調査に行って捕るケースもあるそうです。

例えば、飼育日数の世界記録を持つジュゴンのセレナは、長年フィリピンのスタッフと研究・調査した上で、ジェット機をチャーターして連れてきたそうです。
もちろん飼育や鑑賞目的のみならず、ジュゴンの研究にも役立っています。

最近ではタイでジュゴンが保護された際に、長年飼育経験のある鳥羽水族館に見てほしいと依頼があったそうです。

日本の水族館ならではの特徴は?

日本の水族館には、他の国と違う特徴はあるのでしょうか?

杉本さん「今だいぶ(日本と外国の差は)なくなってきてるんですけど、1960年代にアクリルガラスという特殊なガラスができたんですね。それがアメリカの方で最初に取り入れられたので、向こうの方がスケールがでかい。日本は小さめの水槽が並んでいて、順番に見ていく方式でした」

今や、大きな水槽にいろんな生き物が共存していて、実際の海を再現したかのように展示しているケースが主流になってきています。

ちなみに、水族館で世界一大きな水槽は、中国にある高さが8m強、幅が40m弱の大きさのアクリルパネルを使ったものだそうです。

ただ、杉本さんは、「日本人は昔のように個別に見る方が好きなんだな、と逆に感じ始めました」と語りました。

その理由として、「日本の方はいろいろなものに興味があるし、詳しいんですよ。そうすると、個々の魚たちを見たいという欲求の方が、お客さんの声を聞いてると多いんですよ」と説明しました。

技術の進歩によって新しい展示の仕方が生まれることと、説明の面白さ、詳しさに特化していること、日本の水族館は両方のパターンで進化していくのかもしれませんね。
(岡本)
 
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2019年09月07日08時13分~抜粋

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