石塚元章 ニュースマン!!

東山動物園80周年。でも実は来年100周年?

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名古屋市に東山動物園ができて80年。

8/5の『石塚元章 ニュースマン!!』には東山動植物園から名物副園長で獣医師の茶谷公一さん、広報の太田耕治さんが出演。パーソナリティの石塚元章と渡辺美香アナウンサーが東山動物園トリビアを伺いました。


人気動物、ベスト3は?


日本の動物園でも種類数が多いことで知られる東山動物園。人気の動物はなんでしょう?

広報担当の太田さんによるとズバリ、1位は象。
東山動物園で開催されているベストテン企画は昭和43年から始まって22回を数えますが、その間象はベスト3圏内から一度も落ちたことがないという人気者。

「象さん、象さん♪、って歌にもあるように、本当にみんなに親しまれています」(太田さん)

姿と声のギャップに幻滅


2位、3位の動物は、その音を聞いて、石塚と渡辺が当てるという形をとりました。
2位の動物の声が出ます。まるでウシガエルのような鳴き声。

渡辺「アシカ?」
太田さん「とっても意外なものです」
石塚「ヒントは意外な動物。で、人気……コアラ?」
太田さん「正解です」

「可愛くない~」と鳴き声に幻滅する渡辺。

音声で出たのは、オスのコアラの発情期の声。

「メスと、交互に鳴きあってる時の声で、グオオッ、ゴロゴロゴロっていうのが、コアラのオスの鳴き声の特徴です。メスもアエエ、という感じで鳴きますね」(茶谷さん)

コアラは空に向かって鳴くのだそうです。寝ている可愛い姿からは、想像もつかないダミ声です。

石塚「こういう時は、結構いくんだね」
茶谷さん「滅多に鳴かなくて、交配の時だけなんです」
石塚「子孫を残そうと、懸命な状況ですね」
渡辺「石塚さん、すごいフォローです」

コアラもベストテン企画22回中、13回も1位を獲っていて、絶大な人気を誇っています。

あのイケメンに渡辺、大興奮


3位の動物が出す、ある行為の音を聞きました。

「トコトコトコって何かしてますね。タヌキがお腹を叩いてる」と石塚。近いです。
「ゴリラ?」と渡辺が見事正解を出しました。
ドラミングと呼ばれる、胸を叩く音でした。

「皆さんがイメージするようなグーで叩くんじゃなくて、パーで叩くんです。その方がキレイに音が出ます」(茶谷さん)

吉本の島木譲二さんのギャグ、パチパチパンチも、パンチと言いながらパーでした。

ドラミングの音は高く、鼓のような音がします。

「グーで叩くと、ここまでの音は出ないのかなって気がしますね」(茶谷さん)

ドラミングの役割は、感情を相手に伝えたり、威嚇したり、とコミュニケーションの手段だそうです。

「この音は、今や東山の広報大使と言ってもいい、シャバーニのドラミングの音なんですね」(太田さん)

シャバーニはイケメンで有名になったゴリラです。

「凄い!シャバーニのドラミング聞いちゃった。皆さん、ちょっと静かに聞きましょう」と大興奮の渡辺。人間でなくてもイケメンには弱いようです。

ブーム到来、オジサンの叫び


次にオジサンが「アー」と叫ぶような声が流れます。
あるリスナーさんは「塩見啓一アナウンサーが絶叫している」と表現しました。

「この声はフクロテナガザルです。いま大人気のブームが来てますね」(太田さん)

リスナーからも「フクロテナガザルのケイジ君でしょ」など正解メールが寄せられました。確かにブームのようです。

「だいたい1日に2~3回。我々も決して無理に鳴かせたりはしないので、彼ら任せです。東山はケイジというオスと、マツというメスの仲の良いペアです」(茶谷さん)

フクロテナガザルは、お互いにパートを分け合うデュエットのような鳴き方をします。
メスの鳴き声の中に、相づちを打つようにオスが鳴くわけですが、その「アー」という合いの手がちょっと独特なケイジ君、非常に人気が出ちゃったそうです。

デュエットは上手くなければならない


もちろん、フクロテナガザルの鳴き声にはちゃんと意味があります。
これは縄張りを主張するために、交互に鳴いて他に知らせるための鳴き声だそうです。

「私たちの縄張りよ(メス)、そうだー(オス)。私たちの縄張りよ(メス)、そうだー(オス)」って言ってるんですね。と人間の言葉に翻訳する渡辺。

「オスとメスで交互に鳴いてる、そのデュエットが上手くいってるほど、夫婦の絆がしっかりしてるって言われています」(茶谷さん)

夫婦仲が悪くなると、デュエットが乱れるそうです。

「そんな時は、別のオスがそこへ狙って入ってくるんです」(茶谷さん)

別のオスが入ってきて、そっちの方がうまくいくと、メスをとられてしまいます。
オスは、それを防ぐために、上手く鳴かなければいけません。二人の絆の確認のし合いでもあります。

今年80年。実は来年100年目?


今年80周年の東山動植物園、歴史とこれからについて伺いました。

「昭和12年。ちょうど今から80年前の3月24日に東山動物園ができました。その前身は、鶴舞公園の中にあった名古屋市立動物園で、そこから数えると、実は来年で100年になります」(茶谷さん)

今ではもう知る人も少なくなりましたが、昨年あのポケモンGo!で聖地とされた鶴舞公園に、初の市立動物園があったのです。

当時から継続して飼い続けてる動物が、象とチンパンジーだそうです。
特に象については、こんな逸話があります。

象こそ東山動物園のシンボル


戦時中、現在の東京都知事にあたる初代東京都長官が上野動物園に対して動物の殺処分命令を出します。
この上野動物園の象の話は『かわいそうな象』という童話になって有名です。

地方の動物園では、なるべく殺さないように頑張ったのですが、戦況の悪化とともに各地で動物が殺されていきました。

東山動物園の当時の北王園長は、空襲で状況が切迫した際には園長判断で動物を処分するという確約を名古屋市長からとりつけ、ギリギリまで殺さないようにしてきました。

しかし昭和18年12月13日の空襲で、ライオン2頭、ヒョウ2頭、トラ1頭、熊1頭を殺処分。

そして昭和20年1月、帝国陸軍名古屋師団(第3師団)が東山動物園を使用するため閉園。
同年2月15日、空襲でチンパンジー舎が破壊され、チンパンジーは引っ越し。
その半年後、終戦。

大量の象のエサについては、軍の獣医がこっそり軍の飼料を東山動物園に送っていたそうです。獣医という立場で、上野動物園の象の二の舞にはさせたくなかったのでしょうか。

生き残った象の名前は、マカニーとエルド。
東京から、象を見に来る象列車が仕立てられ、たくさんのこどもたちが東山動物園にやって来ました。東山動物園にとって、象は今なおシンボルなのです。

サクラ4歳。可愛い盛りです。


4年前には、サクラという赤ちゃんが産まれました。
自然繁殖では、国内で3頭目だそうです。茶谷さんは、その時の出産プロジェクトリーダー。

「それまでに成功したのは1頭。しかもタイの象使いの方が来て産ませたんです。日本人だけで成功したことがなかったので、どうやって産ませたらいいかわかりませんでした」(茶谷さん)

そこでお母さん象アヌラの故郷、スリランカの動物園に行って勉強したり、向こうの園長さんにアドバイスをもらって出産は成功。
アヌラも非常に子供思いの母象で、サクラは元気に育って今や4歳です。

象の寿命は60年ほどと言います。年齢の感覚はほぼ人間と一緒。

「サクラは、まだまだ、お母さんについて歩いています。たまに、まだおっぱいもくわえたりしてますよ」と茶谷さんでした。
(尾関)
石塚元章 ニュースマン!!
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2017年08月05日08時13分~抜粋

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