ドツボにハマる
まず、プロモーションとはどういう仕事なのでしょう?
「レゴランド・ジャパンが何なのかを、一般の方に理解して知って頂くことを目標に、イベントをやったり、スポンサー企業と組んで販売促進をしたりしています」
オープン前、一番大変だったことは何でしょう?
「当時はまだ出来上がっていないレゴランドというテーマパークを、わかりやすく説明するために、パークジオラマを使いました」
「パークジオラマ」というのは、約4万8千個のレゴブロックで作った、パークの全体図が分かる完成予想模型です。
最初から組み立ててあるのですが、幅3.7メートル、奥行1.8メートルもあり、リカちゃんハウス感覚で気軽に持ち運べるサイズではありません。トラックで運送し、6人がかりで持ち運んでいたそうです。そうして東海エリアの様々な場所を借りて展示していました。
そしてある時「ハロウィンのタイミングで、東京でやりたい」と考え、子どもや家族連れがたくさん訪れそうな都内某所で話を持ちかけたそうです。
先方の施設もノリノリで順調に計画は進んでいたのですが、「我々のやりたい規模ではできない」ということがなんと、実施の1週間前に判明。
「人通りが少なくて宣伝効果が小さい所しか取れない」「この場所では企業色を出しちゃダメ」など、いろいろ制約が出てきたというのです。
悩んだ挙句、そこでのディスプレイはキャンセルという、つらい選択をしたのだとか。
さあ今度はあと1週間、ハロウィンまでに次の候補地を決めて交渉しなければなりません。そんな緊急事態の中、スタッフが一生懸命探しました。見つかりましたよ。
横浜の商業施設「MARK IS みなとみらい」です。東京に負けず劣らず、集客力がかなりあるエリアです。ダメもとでアタックしたら、ふたつ返事でOKが。
ポッカリ空いたスペースに、横浜がうまくハマりました。
早速、ジオラマがちゃんと設置できるかどうか確かめに、現地確認に。
ぴったりハマる
やっと問題が解決しそうだと思ったその矢先。今度はなんと、ハロウィン用にレゴブロックで作った巨大パンプキンが、大きすぎて入口の自動ドアを通らないのです。
これでは会場内のパークジオラマと並べて展示できません。
「どうしよう?そうだ、自動ドアを外してもらおう!すみません、これ外してくだ…ええーっ!?1回外すのに、ひゃ、百万円かかるだってーっ!」
次から次へと降ってくる予測不能なトラブルですが、そこを迅速な決断で乗り切るのが、プロモーション“ヘッド”の役目。
結局、巨大パンプキンだけ入口の外に置くという、初めて屋外展示する策を取り、関東初のジオラマ公開を見事成功させたのでした。
逆に、インパクトがあって良かったのかもしれませんね。
その他、オープンセレモニーの裏話や、おすすめポイントも紹介して頂きました。
「今後も全国各地で、レゴランド・ジャパンを知ってもらえるよう、イベントをやっていきたい」と語る和久井さん。
これからもレゴブロックをはめていくように、人と人とをつなぎ、レゴランドの歴史を組み立てていってほしいものです。
(岡戸孝宏)