2017年7月18日(火)

内閣改造ってなあに?わかりやすく説明します

石塚元章 ニュースマン!! / ニュース

CBC論説室が注目するニュースのポイントを、解説委員であるパーソナリティー・石塚元章がわかりやすくお伝えしています。
7/15の放送では、「内閣改造」について取り上げました。

「8/3に内閣改造が行われる予定」と報道されています。そこで、改めて内閣改造の意味と影響などを、石塚が解説していきます。

内閣改造ってなあに?

「総理大臣は、閣僚を任命したり辞めさせたりする権利がありますよ」と憲法で決められています。
(日本国憲法第68条 内閣総理大臣の国務大臣任免権)

それに基づいて、総理大臣が閣僚の一部を入れ替える行為を「内閣改造」と言います。
一部と言っても極端な話、自分だけ残ってあとは全員入れ替えてもいいのですけれど。

テレビ番組で例えるなら、キャスティングに口出しできるほどの権力を持った大物司会者が、レギュラー出演者を起用したり降板させたりするようなもの。

それに合わせて大体、自分が所属している党の、幹部人事も一緒に行います。
今で言えば自民党ですね。幹事長・総務会長・政務調査会長・選挙対策委員長のいわゆる“党四役”などの、役員人事も連動して行われるのです。

閣僚と党役員との間で、同じレベルの人材が行ったり来たりすることが多いので、ついでにやっちゃおう!というわけなんですね。

組閣と内閣改造との違い

「組閣」という言葉があります。これは本来、内閣改造とは少し意味合いが違います。

例えば、衆議院解散になると、総選挙が行われますね。総選挙後、初めて国会が召集された時、内閣は総辞職となります。ここでいったん、形式的には、全ての大臣のイスがチャラになるのです。
そこで新しく選ばれた衆議院議員と、参議院議員による「内閣総理大臣指名選挙」が行なわれ、新・総理が指名されます。

「はい、というわけで、私が総理大臣をやることになったんで、内閣も私が作っちゃいますね」
そうやって作られることを組閣。内閣を組織する=組閣ということです。

一方、そうやって組閣された内閣の中の、一部を途中で変えていくのが、内閣改造。
テレビ番組で言うなら、新番組がスタートするにあたって、レギュラー出演者を決めるのが組閣。
春や秋の改編時期などで、レギュラーが何人か交代するのが内閣改造ということです。

実は長い正式名称

今の安倍内閣の名称、厳密には何と言うかご存知でしょうか?
「第3次安倍内閣第2次改造内閣」と言うんです。長いでしょう?

天才画家・ピカソの本名「パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ファン・ネポムセーノ・マリア・デ・ロス・レメディオス・シプリアノ・デ・ラ・サンティシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソ」よりは短いですが。
(あまりに長すぎて本人も覚えられなかったらしく、名前の並びには諸説あります)

「あれ?安倍さんって総理になったの、2回目だよね?何で『第3次安倍内閣』なの?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。

まず、2006年9月から1年間、第90代内閣総理大臣として在任しています。これが第1次安倍内閣。

その後、健康問題などを理由に辞任します。
そして民主党政権の期間も挟んだ末、2012年12月に第96代内閣総理大臣として再任。これが第2次安倍内閣。

更に、2014年12月。いわゆる“アベノミクス解散”による衆議院総選挙が行われ、自民党が圧勝します。
ここで先ほど触れた「内閣総理大臣指名選挙」で、第97代内閣総理大臣に任命されます。これが第3次安倍内閣。
結果的にそのまま続投だったので目立ちませんが、通算3回、総理に指名されているんですね。

そして、2015年10月に内閣改造(第1次改造内閣)。2016年8月に再び改造(第2次改造内閣)。だから現在は「第3次安倍内閣第2次改造内閣」なのです。
予定通り8月に改造が行なわれれば、「第3次安倍内閣第3次改造内閣」となります。
佐藤栄作氏・吉田茂氏に次いで戦後3位となる、総理在任日数の多さゆえの、名誉あるややこしい名称と言えましょう。

改造する理由その1

では、なぜ改造なんてものをやるのか?主な理由は2つあります。

1つめは、「やばい、支持率が下がってる!改造をやれば、ひょっとしたら落ち目の人気が浮上するんじゃないか?苦しい局面が打開できるんじゃないか?」という、人気取り。ウケ狙いです。

テレビ番組で言えば、視聴率を上げるために人気タレントをぶっこんだり、視聴者プレゼントを増やしたり、企画内容をガラッと変えたりという、いわゆるテコ入れですね。

内閣改造では、人気・話題性のある人物が起用されることも多く、今回では小泉進次郎氏や橋下徹氏らの名前が予想に上がっています。

ただ、石塚元章は「そういう方々が入る可能性は低いんじゃないか」と懸念を抱きます。

一度でも大臣をやれば、例え1日でクビになったとしても、一生“元大臣”という肩書ができる。こんなチャンスは二度とないかもしれないわけだから、普通なら大臣になりたいと思う人が多いはずです。
一度でも紅白歌合戦に出場すれば、一生“紅白歌手”として生きていけるようなものですね。

しかし、支持率急落の中をあえて飛び込んでいくのだろうか?火中の栗を拾う気持ちがあるのだろうか?特に、人気がある人なら、なおさら共倒れにはなりたくないでしょうし。

改造する理由その2

2つめの理由は、党内に睨みをきかせるため。
何と言っても人事権を握っているのは総理大臣。
「内閣改造をやりますよー」と言えば、党内議員は「もしかしたら自分にも大臣になれるチャンスがあるかも。こりゃちょっと、総理の悪口を言うのやめとこう。いい子にしてようっと」と考えます。党内を統制することになるわけですね。

しかしこれは諸刃の剣。失敗するリスクもあります。
大臣を変えた途端、その人がいきなり問題を起こしたり失言したりするケースも。
あと、辞めさせられた人や、「今回は入れてもらえると思ったのに入れなかった」という人の不満も生じます。

支持率は低いが注目度は高い

いろいろな思惑のある内閣改造。しかしながら安倍内閣にとって支持率が30%以下に急落したことの他に、根本的な問題があります。
それは、「安倍総理の加計学園を巡る発言は信用できますか?」という時事通信のアンケートで、「信用できない」と答えた人が67%もいたこと。

内閣どうのこうのじゃない。総理そのものへの不信感が大きいんですね。
テレビ番組で言えば、「司会者自体が嫌われてるのに、周りの出演者を変えたくらいじゃ意味ないでしょ」ということです。

自民党の中には、次を睨んだ動きが派閥の中で出始めているそうなので、それも踏まえて安倍総理が誰をどんなポストに起用するのか。
テレビ番組なら、出演者のスキャンダルで逆に視聴率を取りそうな感じですが、果たして今度の内閣改造はどうなるのか。ぜひ注目していきましょう。
(岡戸孝宏)

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