2017年6月10日(土)

人工知能が「がん治療」を飛躍的に高める?

丹野みどりの よりどりっ! / ニュース

CBC論説室メンバーが最近のニュースを解説する「NEWSよりどりっ!」。
6/8は後藤克幸解説委員が「国が新しいがん対策の素案を公表」というニュースについて解説します。

がんに対する新しい対策が盛り込まれる一方で、タバコの受動喫煙対策では自民党と対立するなど、課題も浮き彫りになっています。

2人に1人ががんにかかっている

がんは大変な病気だということは良く知られていますが、なぜ今、新しい対策が発表されたのでしょうか。
がんは1981年以来、日本人の死因1位であり、2人に1人が一生涯の中でがんにかかると言われるほど、身近な病気になっています。

2006年にがん対策基本法が成立し、日本が取り組むべき基本的な理念や対策が決まった後、2007年から第1期がん対策推進基本計画が立てられました。
第1期では、がん患者とその家族の痛みや不安によりそう緩和ケアが柱となっています。

続く2012年の第2期では、新たにがん患者の仕事復帰について、企業と協力して取り組むなどの計画が盛り込まれました。

そして今回、2017年は第3次で6カ年計画を立案し、3つの重点項目が挙げられました。

1.がん検診の受診率を上げて早期発見・早期治療
2.AI(人工知能)を患者本位の適切な治療
3.がんになっても自分らしく安心して暮らせる地域社会の構築

AIでがんの薬をオーダーメイド

ここで気になるのが、AIががん治療に活用するというのは、どういう意味なのかという点です。
今やコンピュータの性能が飛躍的に上がっており、膨大なヒトの遺伝子情報を高速に解析できるようになってきています。

イギリスでは10万人の遺伝子を解析し、難病治療に役立てる研究が進んでいます。
またアメリカでは、ヒトの遺伝子情報を解析することで、個人のライフスタイルに適したオーダーメイドの予防や治療を提案しようとしています。
AIでどんな種類のがんになりそうかを予測できたりするわけです。

日本でも個人に合った薬や治療を提案する体制を、国内のがん拠点病院で行えることを目標にしています。

技術が進んで高度な医療が受けられる反面、ビッグデータで非常に高度な個人情報が医療現場で活用されると、情報管理体制や倫理的な問題への解決策をあらかじめ決めておくのが非常に重要になってきます。

いわゆる遺伝カウンセラーのような職種が日本ではまだまだ少ないため、人材の育成が求められます。

くすぶるタバコの受動喫煙問題

この他「2020年東京オリンピックまでに、受動喫煙ゼロの機会を実現する」という目標もありますが、素案では受動喫煙の個別目標にPと書かれています。このPという文字は何でしょうか。

PはPending、保留の略で、自民党が反対しているためです。
タバコを吸う権利を守るべきという意見もありますし、たばこ税の税収の問題もあるのかもしれません。

しかし、先進国では日本が最も受動喫煙対策が遅れていると言われており、受動喫煙で肺がんのリスクが高まるとあっては、とても深刻な問題です。

後藤解説委員は最後に、「この素案を元に自民党と厚労省の間で調整をしていくことになるが、後に閣議決定する時にどう変化するのかが注目される」とまとめました。
(岡本)

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