2017年5月27日(土)

あなたのそばにも潜んでる?「中核派」概説

多田しげおの気分爽快!! / ニュース

最近、ある男が逮捕され、久しぶりに「中核派」という言葉にスポットが当たっています。
ある世代以上にはある意味懐かしく、また初めて耳にしたという方もいらっしゃるのでは?
今回はこの「中核派」について、CBC論説室の石塚元章室長が解説します。

中核派を知る世代・知らない世代

大阪府警が公務執行妨害などの疑いで逮捕したある男。今から46年前の1971年に発生した、いわゆる渋谷暴動事件の主犯格として指名手配された大坂正明容疑者ではないかということで、現在母親とのDNA鑑定などで確認中です。

「中核派という言葉、我々の世代に取りましたら、当たり前の言葉なんですけども、若い人に聞いたら『なんかの教科書で読んだような気がします』と言われ驚いた」

と話すパーソナリティ・多田しげおは1949年生まれ。この中核派、いったいどんな組織なのでしょう?

時代を50~60年ほどさかのぼります。当時、左翼に対して登場したのが「新左翼」でした。

左翼とは「日本の社会の考え方は古い。だから社会主義や共産主義を取り入れよう」と考える共産党とか社会党(社民党)などの人たちのこと。様々な手段で、社会を変革しようとしてきましたが、やがて第二次世界大戦が勃発。
終戦後1950年代になると左翼運動は「国会で議席をとり、民主的に変革していこう」という方向になってきます。

これに対して「そんな生温いことで社会が変わるのか?」と疑問を持った人たちが、それとは違う左翼運動を展開しようと始まったのが新左翼。
力による運動なので、当時は「暴力革命」と呼んだそうです。

新左翼の生まれた時代背景

やがて世界は混沌とした時代へ。
今の若者にはTシャツでお馴染み、チェゲ・バラが活躍したキューバ革命が起こりました。
アメリカでは、対外的にはベトナム戦争、国内では黒人に対する人種差別反対運動などが起きます。
これらのことが、同じ時代に一気に発生したのです。

日本では日米安全保障条約に反対する安保闘争がありました。
60年安保の時代であり、70年安保の時代があり、学生運動の時代でした。

若い人たちが「社会を変えるために、何か活動した方がいいんじゃないか」と盛り上がった時、「平和的に意見を言おう」という人たちに対して、「暴力で変えないと時代は変わらない」と主張したのが新左翼の人たちだったのです。

今も残る「セクト」

「当時を知っている人には、何も珍しくないんですけど、ヘルメットを被るとか、覆面で顔を隠す。ゲバ棒と称する角材で機動隊と渡り合う」

と石塚室長が語るその新左翼の中に、当時「セクト」と呼ばれた色々な派閥がありました。

「セクトは簡単に一言では言えないぐらい、すぐに別れるし、すぐに喧嘩するし、またくっつくし、お互いの主義主張に対して批判し合いし分派する」

この辺りは専門家でも分析によって意見が分かれるそうです。
その中の一つが「中核派」なのです。

この中核派に加え、革マル派、革労協の3つが大きなセクトとして現在も残っています。

新左翼が登場する過程で最も早く生まれたのが、北革命的共産主義者同盟。略して「革共同」。
その中から1960年過ぎに「中核派」は登場しました。

暴力的な革命を起こすことで社会を変えていこうとする基本的な新左翼の考え方で、中心的な役割を果たすグループです。

懐かしき70年安保

多田が当時を振り返ります。

「ちょうど私が70年安保の頃、大学生でしたから、東大はじめ、京大はじめ、私の母校の関西学院大学にも、いろんな学生活動家がいて、それこそ中核派などが学園封鎖して学校の中に立て籠もって授業ができない。
学校側の人間も一般学生を中に入れないという、ああいう闘争をしていた中心のセクトですよね」

やや歳下の石塚室長も、その時代を経験しています。

「そうです。それが大学によって、中核派が強いとか、革マル派が強いとか、あるいは共産党系が強いとか、いろんなのがあったわけですけど。
僕は学年末の試験は受けてません。学園封鎖で試験できないからレポート提出でいいよ、となっておかげ様で卒業できました」

みんなが麻疹にかかったような時代

多田「今となっては、懐かしいという表現が当たっているかどうか、ある意味、麻疹みたいにわーっといろんな運動が出てきて」

石塚「確かに世の中が麻疹みたいにわっとなっちゃった時代だったですね。それでも、卒業して就職すると、バンバンの歌『いちご白書をもう一度』みたいに伸ばしてた髪の毛を切って、普通のサラリーマンになりました。いま団塊の世代と呼ばれる人たちです。『昔、機動隊と睨みあってた』という人が普通のサラリーマンになって、それなりに出世している人が圧倒的です。
でも中にはずーっと残っている人もいる。現在、大坂容疑者か?と言われている人、もし当人だとすると67歳ですよ」

ほぼ多田と同世代。中核派の中心だった世代も高齢化しています。

中核派、新左翼はどこにいる?

かつてほど前面には出ませんが、前述のようにいくつかのセクトは現在も活動を続けているといいます。石塚室長が解説します。

「公然活動、非公然活動という言い方を新左翼はするんですけど、表向きは、ここに本部がありますよ、機関誌を出してますよ、ということをやっています。これは公然活動で誰がやっているかわかります。
ところが、この裏に非公然活動があります。いわゆる潜伏です。一般市民のように街にいるんだけど、何かあると暴力的なテロ活動も辞さないという人たち。これが非公然活動です。今回逮捕されたのが大坂容疑者だとすれば、彼の活動は非公然活動です。こういった人たちが結構いるんです」

あなたの周りに中核派が?

「今となっては歴史のお勉強みたいな存在」と言う多田に、石塚室長は語ります。

「非公然活動の人たちが潜り込むために、環境問題だとか人権問題だとか、一般から見て『それってありだよね』という活動の中に、すっと入り込んでいる可能性があるので、その辺も目配りをして気をつけてほしいと思います」
(尾関)

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