2017年5月26日(金)

AIさん、囲碁対決で完勝はいいけど倫理も守りなさいよ?

丹野みどりの よりどりっ! / ニュース

AIという言葉を聞くたびに「ああ、人工知能ね」とわかったふりをする人も多いと思いますが、もうそんな悠長なことは言ってられないかもしれません。

“NEWSよりどりっ!”では、人間とAIの囲碁対決で人間が完敗したことを発端に、人工知能は人間の脳を超えるのか、これからの課題はどこにあるか、CBC論説室長の石塚元章が解説をしてくれました。

碁対決はAIの完勝

先日、世界が注目する囲碁の対局が中国で行われました。
グーグル傘下のベンチャー企業が開発した囲碁を打つためのAI(人工知能)のソフト「AlphaGo(アルファ碁)」と世界最強の棋士・中国の柯潔(カ・ケツ)九段との対局が、AIの完勝に終わりました。

柯九段は「いや、まったく弱みが見つけられなかった」と、悔しがっていたそうです。
これは三番勝負の1局目で、まだ25日と27日に2局残ってはいますが。

そもそも囲碁は人間が1対1で知恵をしぼるゲームとしては、最も難しいと言われています。チェスや将棋もその比ではないと。だから、その囲碁でAIが勝ったことはすごいです。

コンピューターとAIの違い

このアルファ碁は、一年前に韓国で強い棋士に勝っているが、その時と比べても驚異的に進歩しています。

「AlphaGo」は自分で学習し、自分で能力を高めていきます。
専門用語で言うと、ディープラーニング(deep learning)、深層学習ができるのです。
従来のコンピューターとAIの違いが、このディープラーニングです。

「人工知能がどんどん自分で学んで能力をパワーアップしていくということですね。こどもの頃SF映画を見て、そんな時代は来ないよね、と思っていたことが来つつある!」と興奮する丹野みどり。

私たち人間も最初は教えてもらって学習します。その時教えてもらってなかったことも自ら試して、できることを次々と増やしていきます。
これを「暗黙知」と言うそうで、本来これは人間の得意技でしたが、AIも同じことをやっているということです。

専門家の中には「このままいくと2045年頃には人間を超えるんじゃないか?」と指摘する人もいます。

AIも倫理指針を守ってね!

「えー怖い。そうなると世の中はどうなるんですか!」と、丹野。

まさにちょうど今、名古屋市でそういうことを考える会議が行われているのです。
5月26日の金曜日まで、中村区のウインクあいちで開催されているのが「第31回 人工知能学会全国大会」。
AIの研究者などが集まる学会ですが、先日は非常に興味深いことを決めています。

それが9項目にわたる「倫理指針」です。
1~8項目までは、研究者はこういうことをやろう、法律を守ろう、危害を加えるようなことをAIにさせちゃだめだとか、人工知能を作る側の倫理です。

今回の倫理指針の特徴は、9つ目にある「人工知能への倫理遵守の要請」。
これはわかりやすく言うと「人工知能が社会の構成員またはそれに準じる者となるためには、研究者と同じように、人工知能も倫理指針を守らなければならない」となります。

「つまり、AIさんを擬人化して、AIさんも倫理を守りなさいよという、勝手に勉強してしまうAIさんだから、倫理も学んでよ」と、さらに丹野がかみ砕きます。
「すごいことでしょう」と石塚室長。
「では、頭のいいAIさんですから、そう言われた暁には社会の倫理は理解できるんですよね?」とあくまでも安心したい丹野。

学会は、そういう話を議論のきっかけにして欲しいという意味合いでこの項目を入れていると思います。
つまり、社会の中での人工知能のあるべき姿をそろそろ考える必要があり、タイミングを逃すと怖いことになりますよ、というアピールなのです。

ドラえもんのいる世界?

石塚「日本には鉄腕アトムやドラえもんで育ったという人がいますが、あれは究極のAIの社会参加ですよね」

確かにアニメやマンガの世界ではAIを持ったロボットたちが全く自分たちと一緒に、社会活動を営んでいます。

丹野「のび太くんの気持ちもよく分かってますから」

いま人工知能がニュースにならない日はありません。
これからのことを考えると、最終的には人間とAIの役割分担はどうなるといいか、素晴らしいスタイルが描けるかどうかがポイントで、そういうことを考えないといけない時代に来ている、とまとめる石塚室長でした。
(みず)

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