2017年4月27日(木)

芦田愛菜が目指す「病理医」ってどんな医者?

つボイノリオの聞けば聞くほど / ニュース

少し前、女優の芦田愛菜さんが難関中学に入学したことが話題になりました。
子役として活動を続けてきた愛菜ちゃんがこんなに大きくなってしかも立派になって、と親戚の子どもを見るような感慨を受けた方も多いのでは?

先日インタビューで「将来は医学の道に進み病理医になりたいと考えている」と語ったそうですが、この「病理医」について、小高直子が紹介します。

どうして病理医なの?

芦田さんが病理医を目指した動機は「ドラマで知って」とのこと。「女優を続ける中で知らなかった職業にたくさん出会いたい」ということも話していたそうです。

芦田愛菜さんが『病理医のドラマで』と言ったことについて、小高アナは長瀬智也さんが主演した『フラジャイル』(フジテレビ)ではないかと推測します。
長瀬さんが病理医の役で、病理医の仕事の中でのいろいろなドラマを繰り広げるというものでした。

病理医とはどんな仕事?

医者の中でもあまり聞いたことがない病理医とは、どんな仕事をしているのでしょう。

病理医の仕事は「病理診断」といって、患者から採取して調べる「細胞診断」「組織診断」、そして「病理解剖」の3つを中心に、調査、研究をしています。

臨床医と病理医

わたしたちが病院に行って話をするのは「臨床医」です。それに対して、病理医はあまり患者さんと接することなく働くお医者さんです。
この臨床医と病理医が意見を述べ合って、病状や治療について方針を決めていくのです。また蓄積されたデータを研究に生かすのも重要な仕事です。

普段直接会うことはありませんが、病気で手術をした時など、知らない間にとてもお世話になっているのが病理医の先生なんです。

解剖も病理医の仕事

判断を下すため、病理医はすべての臓器や細胞、組織について知らなければいけません。
そうした知識や蓄積されたデータが治療に生かされるわけです。

まず細胞診断は、粘膜や体表に近い病変部から細胞を採って検査します。
そして組織診断は、病変部から採取した組織片を顕微鏡で診断したり、手術で取り除いた組織を確認して病気の進みを検証します。

手術した方には、術後に臨床医の先生から「取ったところですけど、なんでもないものでした」などと告知を受けた経験のある方も多いでしょう。これも病理医が調べてくれたものなのかもしれません。

手術中に診断して反映できる技術

最近は「術中迅速診断」という技術が発達して、手術中に採取したものを、その場で診断して判断を下し、その手術に反映させることもできるようになりました。

つボイノリオが指摘するように、昔の手術では病変部を余分に切除していたかもしれません。術中迅速診断ができれば、そのようなことは減るでしょう。
小高によれば、これも前述の『フラジャイル』でも描写されていたそうです。

実際に手術をしてはいないけれど、患者さんの命を預かるため、時には臨床医と議論しなければならない重要な仕事です。
ドラマのように「闘う」ほどではないかもしれませんが…

財前教授の総回診が始まります

それと大きな仕事として病理解剖、つまり亡くなった方への診断というのがあります。病気で亡くなってしまった患者さんの解剖を行うそうです。
亡くなった方の体から標本を作って、それを調べて、どうして亡くなったのか、病気がどこまで広がっていたのかなどを調べます。

ちなみに何度もドラマ化された、山崎豊子の小説『白い巨塔』。
主人公・財前五郎の前に立ちふさがる大河内教授をご記憶の方も多いと思いますが、大河内教授こそ、まさにこの病理学の大家として描かれています。

そして財前ががんに敗れた後、大河内教授に依頼したのは自らの病理解剖でした。
解剖によって明らかになった病気の事実は、未来の患者に対する治療を、よりよいものにすることに使われるのです。

少ない病理医の数

このようにとっても大事な仕事ですが、病理医の数は少ないそうです。
平成26年の厚生労働省の調査では1番多いのが内科医で61,317人、これに対して病理診断医は1,766人です。

オールマイティの知識が必要で、しかもその情報は日々研究で変わっていき、臨床医の診断に影響を与えるという責任も大きい、とても大切な仕事です。
私たちが実際仕事をしている姿を見る機会がなく、志望者が少ないのかもしれません。

だから、隠れた仕事がドラマでクローズアップされるということはとても意義があることです。
「女優の芦田愛菜さんと、病理医になりたい芦田愛菜さん、両方がんばって欲しいと思います」と小高さんは言います。

かつて木村拓哉主演で『HERO』という検事が主人公のドラマがありましたが、その後、実際に検事を志望する人が増えたそうです。
病理医も増えるといいですね。
(みず)

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