2017年4月22日(土)

75歳以上の3割が10種類以上の薬を服用?!「かかりつけ薬局」を持とう!

丹野みどりの よりどりっ! / ニュース

CBC論説室メンバーが最近のニュースを解説する「NEWSよりどりっ!」。
今日は後藤克幸解説委員が「高齢者の薬飲み合わせ問題」について解説します。

高齢になるとさまざまなところの調子が悪くなり、薬を飲む種類が増えることが多いですが、副作用の危険が高まるため、厚生労働省が対策に乗り出すことになったというのです。

飲む薬の種類が多いほど危険!

複数の慢性病を抱えた65歳以上の人は平均で6種類以上の薬を飲んでおり、75歳以上だと10種類以上の薬を飲んでいる人がなんと3割に上ることが、厚生労働省の専門家会議で報告されました。
複数の病院や複数の診療科にかかると、どうしても薬を多くもらうことになってしまいます。

東京大学病院で高齢者の患者さん2,000人以上を調査したところ、薬物による有害事象の発生頻度について、6種類以上の薬を飲んでいる人は、5種類以下の人と比べて、1.5~2倍もの有害事象が発生したということです。
これは、薬の飲み合わせが悪いと、副作用や効き目が増強されてしまうためです。

ではなぜ、薬をもらい過ぎることになるのでしょうか。

「門前薬局」とは何か?

ここでキーワードとなるのが「門前薬局」という用語であり、病院のすぐそばにある薬局のことです。

いくつもの病院をハシゴしている場合、病院側は他の病院で受診している内容は把握しておらず、薬局側も他の薬局でもらっている薬は把握できないため、それぞれの門前薬局で薬をもらうと、余分に薬をもらってしまうことになるのです。

では、どうすれば薬のもらい過ぎを防ぐことができるのでしょうか。

「かかりつけ薬局」を持とう!

そこで後藤委員は「かかりつけ薬局」を作ることを提案します。
病院の近くの薬局で薬をもらうのではなく、自分の家の近所の薬局を1か所決めておき、そこで常に薬をもらうようにすることです。

受診した病院の近くにある薬局でなければ、薬が出せないのでは?と誤解する方も多いのですが、実は処方箋さえあれば、たいていどこの病院から依頼されたものでも、薬を出すことができます。
また、その薬局に薬がない場合でも、取り寄せてもらうことができます。

さまざまな病院でもらった処方箋をかかりつけ薬局で出すと、薬に関する情報が1か所に集約されるため、薬局ではその人の全体的な状況が見られます。
それにより、薬剤師さんが同じような薬の重複や、薬の組み合わせの悪さがチェックできます。
さらに、薬剤師さんが個々の病院に連絡し、薬を減らしてもらうことを依頼したり、薬を変えることができるか、病院の医師に相談することもできるのです。

薬のもらい過ぎを防ぐために必要なこと

この「かかりつけ薬局」、いいこと尽くめのように聞こえるのですが、丹野みどりには気になることがあるようです。

「大きな病院だと、かかりつけ薬局の薬剤師が大きな病院の専門医に対し、連絡を付けるのが難しそう。ひとつひとつ相談に乗ってもらえるものでしょうか?」

後藤委員は「大きな病院の薬剤師が答えることで対応が可能になるが、そのためには医師と薬剤師の間でのコミュニケーションが重要となる」と答えます。

厚生労働省は、来年3月までに具体策を発表する予定だそうですが、最後に後藤委員は「どのように情報を共有し、患者に一番良い医療を進めるためには何が必要かを解決策として、きちんと打ち出して欲しい」とまとめました。
(岡本)

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