2017年10月30日(月)

三重県鳥羽市「海女のまち条例」で海女さんを救え

丹野みどりの よりどりっ! / ニュース

10月25日放送の『丹野みどりのよりどりっ!』。
話題となっている商品やサービスに焦点を当てる「モノコレ!」のコーナーでは、三重県鳥羽市で施行された日本初の「海女のまち条例」を取り上げました。

海女という仕事

日本独特の伝統文化とも言える「海女」は、アワビやサザエ、海藻などを獲る素潜り量を生業とする女性たちのことです。

女性は男性よりも皮下脂肪が多くて、寒さに強いことから女性が行う漁として、昔から受け継がれています。

三重県には海女がとても多く、昨年11月には伊勢志摩サミットにちなんで『海女サミット』なるものが開催されたほどです。
そんな三重県鳥羽市で10月2日、「海女のまち条例」が可決され、即日施行されました。

海女のまち条例

「海女のまち条例」はどうして制定されたんでしょうか?
丹野みどりが鳥羽市市議会議員の河村孝さんにお話を伺いました。

「まず海女さんの存在そのものを、行政と市民と関係団体と一緒になって守っていけたらいいなという思いで制定されました。海女の高齢化が進んでいて、なかなか後継者がいないという現状なんです」

現在の海女は60歳半ば以上の方がほとんどだそうです。

「鳥羽だけで、だいたい500人ぐらいです。志摩も入れると700人ぐらい。これはちょっと古い数字なんで、今はこれよりもっと減ってると思います。80歳を超えている、現役の海女さんもたくさんいます」

進む高齢化

現在続けている方は元気ですが、必然的に年数が経てば、人間誰しも…ということになります。

「このままいくと10年後には、半分、もしくは3分の1になってしまうんではないかと危惧しています」

全国の海女さんのおよそ半数がいると言う鳥羽市と志摩市。
これまでも鳥羽市では、様々な対策をしてきたんですが、なかなか若い海女さんが育ってきませんでした。

唯一、現在見習い中というのが、総務省の援助を受けて行なっている「地域おこし協力隊」という制度で応募してくれた、30代の女性一人きりという現状です。

原因は儲からない

海女さんの後継者が育たない原因は「儲からないからだと思います」と話す河村さん。

「漁に行って、獲った獲物を市場に出荷して、それが海女さんの収入になるんですが、天気が悪かったり、また禁漁期間もあるんで、年間100日前後しか漁に出られないんですよね」

ちょうど今はサザエの漁が始まる時期ですが、解禁になったばっかりなのに、天気の影響で、ずっと漁に出られない状況が続いているそうです。

「私は石鏡(いじか)町というところの出身なんですけども、地域のトップクラスの海女さんたちでも、年間で200万ちょっとぐらいしか稼げないというのが状況です」

若い海女さんを見るけれど

「あれ?なんかこの地方で、若い海女さん見るよ」という方いらっしゃるかもしれません。
この地方ですと、よくミキモト真珠島で若い海女さんたちが活躍しているのが話題になりますが、実はこちらは観光海女さん。

彼女たちはミキモト真珠島という企業に雇われて、そこからお給料もらって、業務として海女の仕事をしています。
海女の伝統を伝えるショー的な形での観光海女さんと、漁師である海女さんとは待遇が全く違うわけです。

まずは海女さんを知ろう

この地方に伝わる海女という伝統文化を守るためにも、まずはこの状況を皆さんに知ってもらいたい。今回「海女のまち街条例」が作られたのは、まずは、そういう段階です。
鳥羽市では、市民の皆さんに海女文化継承への理解と協力を求めています。

NHKの朝ドラ『あまちゃん』で海女さんにスポットが当たったんですが、海女さんの後継者ができる、待遇が向上するまでには繋がりませんでした。

ゴジラ、日本初上陸の地

ちなみに、河村さんの出身地である石鏡(いじか)は、実は映画『ゴジラ』マニアには知られた街なのです。

昭和29年(1954年)に公開された第1作『ゴジラ』(本多猪四郎監督)で、ゴジラが最初に上陸した「大戸島」のロケに使われたのが石鏡町だったのです。

ゴジラが出現して、人々が逃げ惑う撮影に使われた坂は、通称「ゴジラ坂」と言われているとか。
また、大戸島の神社の神楽のシーンは、鳥羽駅から徒歩10分ほどの賀田神社で実際に行われていた神楽をそのまま使ったそうです。

映画ファンの皆さん、聖地は岐阜県高山市だけじゃありません。ゴジラ初上陸の地に来て、海女さんを知って下さい。
(尾関)

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