2017年10月24日(火)

かわいそうなのは誰だ。クマ射殺の大きな事情。

北野誠のズバリサタデー / ニュース

一週間のニュースを北野誠がぶった切り、ダークサイドな土曜日を吹き飛ばすニュースバラエティ『北野誠のズバリサタデー』。
メインパーソナリティーは北野誠、アシスタントは加藤由香アナウンサー、番組ご意見番はITジャーナリストの井上トシユキです。

番組序盤のコーナー「ズバリ週間ニュース」では、一週間の気になるニュースをまとめて振り返ります。
今回はその中で、「小学校の校庭に現れたクマを射殺したことに対して、批判が寄せられている」という件を取り上げました。

クマについてのクレーマー

元々のあらましは、こうです。

10/6午前11時半ごろ、岐阜県高山市の市立栃尾小学校の校庭にツキノワグマが姿を現しました。
校内放送で教室の窓を施錠するとともに、校舎から出ないよう児童らに指示。高山署の依頼を受けた地元猟友会の男性が約1時間後に校庭の木に登ったクマを射殺、人的被害はありませんでした。

同署や高山市によりますと、クマは体長約1メートル、体重約100キロで、オスの成獣。高さ約3メートルの枝の上で、何かを食べているような様子を署員らが警戒していましたが、立ち去る気配がなかったため、やむなくライフル銃で射殺しました。

この騒動に対し、「クマがかわいそう」「こどもの目の前で射殺するなんて酷い」などという苦情が高山市や学校に寄せられていることがわかったということです。

これについて北野は、静かな怒りを込めた様子で語ります。

「最初は爆竹で追い払おうという意見もあったんですけど、爆竹を使うことでクマが思わぬ方向へ反撃してきて、教室の方に乱入していったら誰が止められるんや?っていう話になって、じゃあこれはもう射殺しかないと。だから別にこどもの前で射殺した訳でもないし、ちゃんと避難させてから、やむを得ずそうしただけ。
それなのに、『かわいそう』『何で校庭でやるんだ』『麻酔銃を使えばいいじゃないか』というのが必ず出てくる。しかも事情も知らない県外から」

里山がある地域の生活は、クマの危険性と隣り合わせです。
冬眠前のクマはエサを求めて人里に降りてきます。動物園で「クマちゃんかわいい~」などとほのぼの見るような対象ではないのです。

それから、麻酔銃と簡単に言っても、実は取り扱いが非常に難しい代物なんです。
麻酔というからには専門の資格が必要です。銃や弾丸(というより飛ばす注射器)は猟銃よりも高価。
使える人や保持できる人・団体が限られるのです。

さらに、麻酔銃は射程が短く、より目標物に近づかなければならず大変危険です。
しかも麻酔はすぐには効きません。10分はかかります。うまく当てないと全然効かないことも。
その間、相手がどんな反撃をしてくるか予想もつかないのです。

クマだけでなくシカも

「事情も知らない、クマの実態も知らない県外の第三者が、猟友会や市や学校にクレームをつけてくる。その度に『俺ら何か悪いことしてるんか』と思わされてしまう、猟友会の人たちこそかわいそうやと思うんですよ」と北野。

そこに井上も賛同します。

「以前、動物写真家の方の展覧会に行った時聞いたんですけど、結局、エゾシカやカモシカも同じなんですって。放っておくと山を荒らしてしまう。人間が山にうまく手を入れようにも人手不足だし、ノウハウも受け継がれなくなってくる」

そうしてシカがムダに繁殖すると、山が丸坊主になり、土砂災害が発生してしまいます。農作物を荒らす食害も深刻です。だからやむなく狩猟対象となるのです。

が、これまた「何で射つんだ」「天然記念物じゃないのか」という文句が出てくるそうでして。
みんなの生活を守るために、仕方なくやっているんです。好きで殺してるんじゃないんです。

「それも知らんと、都会の人が『捕獲したエゾシカの肉をカレーに入れるとは何事だ!』とか言ってね。いや、ただ殺すのは申し訳ないっていう気持ちがあるから、食用にしてるんであって」

このように力説する井上。

ムダな炎上はなくそう

そこで北野が以前に観たというテレビ番組を思い出します。

「知床半島でヒグマが人里に降りてくるんですよ。3、4歳くらいになったオスのヒグマは山の中で縄張り争いをして、弱い個体は里に降りてきちゃう。でも最初は爆竹や発煙筒などで追い返すんです。2回そういう警告をやるんだけど、3回目にはもう射殺せざるを得ないっていう」

警告した際には、耳かどこかに印を付けるんだそうですね。それで何回目かをチェックする訳ですが、それに対しても「江戸時代の罪人を思い起こさせる」というとんちんかんなクレームがあるのだとか。
そんなことを言い出したらキリがありません。

「人間を襲って、一度でも人間の味を知ってしまったクマは、再び人間を襲いますから。そうなる前に何とかしなきゃっていうのを理解してもらわないと」と北野。

実際、大正時代には合計7人もの犠牲者が出た「三毛別羆事件(さんけべつひぐまじけん)」という事例もあります。

それは極端にしても、クマに襲われる事件は毎年発生してますから。愛玩動物ではなく、猛獣なのです。

もし、これが逆に、クマを殺さないように慎重になりすぎた結果、児童がクマにやられて大怪我でもしていたら、もっと激しい抗議が市や学校に来ていたことでしょう。

感情論で動くのではなく、ちゃんと事情を知った上で行動してほしいと願う北野でした。
(岡戸孝宏)

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