2017年9月12日(火)

緊迫する北朝鮮問題。ジャーナリスト黒井文太郎に緊急インタビュー

石塚元章 ニュースマン!! / ニュース

北朝鮮問題が緊迫しています。一体これから、どうなるのでしょうか。

9/9の『石塚元章 ニュースマン!!』では、ジャーナリスト黒井文太郎さんに、緊急電話インタビューを行いました。

安全保障及びインテリジェンス、つまり情報機関。北朝鮮情勢や中東情勢、国際紛争などに精通する黒井さん。
放送日は、まさに北朝鮮の建国記念日。この日を踏まえた黒井さんの見解をご紹介します。

月曜日過ぎが可能性大

北朝鮮は、国内向けに何かやるというよりは、アメリカとの駆け引きで、いろんなことをやることが多いんです。以前のように、こういった記念日に大きなことをやる、という傾向は、なくなってきています。

大きなことをやるタイミングは、週明け、月曜日過ぎが可能性として高いと思います。なぜかというと、月曜日に国連安保理の会合があります。そこでまた制裁の話が出ます。

北朝鮮は、それを「アメリカが、またひどいことをする」と非難し、何か大きなことをやる口実にします。それが、今までの北朝鮮のパターンです。

「大きなこと」ってどんなこと?

例えば「火星14」というICBM級のミサイルがあるんですが、そういったものを、今までにないぐらいの距離で飛ばしてくる、ということです。

気になったのは、北朝鮮中央通信が、毎回アメリカのことは非難するんですが、今度は日本のことも非難したんです。
「日本は、アメリカに追従しているようでは、我々の敵だ」と言い始めている。

どうしてもミサイル実験は、日本の上空を飛びます。他国の上空にミサイルを飛ばすというのは、国際社会では掟破りなんです。だから、それを正当化するための布石と見えなくもないですね。

いつもアメリカと日本のせい

そういうことを言っておけば、日本の上を飛ばされても文句は言えないだろう、という彼らなりの口実付けです。

北朝鮮は、自分たちが悪いことをしてるとは言わないんです。常に人のせいにする。
アメリカや日本のせいで、自分たちはこういうことをやらざるを得ないんだ、という理屈です。

北朝鮮は、アメリカを牽制するための長距離ミサイルを開発しています。
実験するためには、どうしても日本の上空を飛ばさないといけない、という地理的関係にあります。
そこに言及するということは、近々飛ばしてくると予想されるわけです。

次はハワイ沖?

今の北朝鮮の流れは、水爆実験成功を嵩にかけて押せ押せムードなんです。
この状態で制裁措置に対抗するために、アメリカとの駆け引きとなると、ハワイを狙えるミサイルを飛ばすと考えられます。

失敗する可能性の少ない「火星14」を、8月29日と同じ北海道南部ギリギリぐらいのコースで、北朝鮮の南部あたりから撃つと、角度の問題でハワイの北方から東太平洋に抜けるコースが開けるそうです。

「8月の頭にグアムをターゲットにするんだ」と宣言しましたが、例えば、今後「火星14」で8,000キロ飛ばせば、彼らはハワイを照準とする部隊を実戦配備した、というような宣言ができるわけです。

これが成功すると、北朝鮮にとって、アメリカに対しての抑止力が一歩上がるということになります。
本来の目的はそれだと思うんです。非常に強いインパクトがありますから、その可能性は大きいと思いますね。

北朝鮮の狙いとその限界

北朝鮮が目指すところは、アメリカに攻め込まれないように、やられたらやり返せるだけの、核ミサイル能力を確立するってことです。これを最優先していると思います。

力を持つことによって、アメリカが攻撃できない国にする。
北朝鮮は、サダム・フセインやカダフィの例を見ていますから、自分たちはアメリカに攻められたら終わり、ということはわかっています。

話し合いに応じない理由

力をもって唯一対抗できるということですから、交渉云々というのは、北朝鮮にとってはなんら安全保障にならないんです。

いま交渉優先ということであれば、アメリカの方がむしろ球を投げている立場です。
テラーソン国務長官が「体制変革は望まない。核開発をやめれば、話し合いに応じる用意がある」と言っています。

北朝鮮側は、むしろ今、交渉してしまうと、対アメリカのための核ミサイルをどんどん強化するプログラムを止めなきゃいけない。ですから、北朝鮮側はそういった交渉に応じる時期ではありません。

それでも、北朝鮮を縛る唯一の原則は、アメリカと戦争をしないということなんです。

北朝鮮が核ミサイルを開発してるのは、体制を滅ぼさないためです。アメリカと戦争してしまえば、北朝鮮の体制は滅んでしまいます。そうなれば本末転倒です。

戦争に発展する可能性

北朝鮮側は、アメリカとの戦争は必ず避けなきゃいけないんです。
核ミサイル開発はやめないんですけれども、北朝鮮側から戦争することはない。

アメリカ側も攻撃に対しては、ピンポイントでやったとしても、北朝鮮がどう出るか確証がないんです。北朝鮮が本気で反撃してくれば、韓国、日本、グアムあたりが、壊滅的な被害を受ける可能性があります。

アメリカが攻撃しない理由

アメリカ本土までの攻撃はないとしても、やはりアメリカがそこまで打って出るにはリスクが大きすぎるということです。

トランプ政権も「全ての選択肢は出てないんだ」と言っています。
これは攻撃すると、断言はしないということなんです。

トランプさんは「北朝鮮の軍事攻撃が第一選択とは考えていない」ということを言ってましたけども、いまアメリカ側も戦争に入っていく状況ではありません。
今にも、戦争が起こるかもしれないという報道もありますが、しばらくは大丈夫です。

これからも続く緊張状態

ただ、それで平和になって良かったということではなくて、北朝鮮はアメリカが戦争しないうちに核ミサイル技術を上げてきます。なので、将来的にはアメリカも本腰で止めなきゃいけない、という局面が来ます。

ですから、これから平和になっていく、緊張がどんどん緩和されていく、という可能性は非常に少ないんです。

北朝鮮がどこかで「もうここでいいや」って決断しないと。アメリカが、その状況を決めてるんじゃなくて、北朝鮮側が今の状況を決めているんです。

北朝鮮は独裁政権の国ですから、ある日突然内部崩壊ってことも、可能性としては0%じゃないわけです。
不安定な国がすぐ隣にあって、そこに核ミサイルがある。何があってもおかしくありません。

いますぐ戦争になることはない、と言いましたけども、何があるかわからないというのは、心掛けるべきだと思うんです。

不安定な国が隣にある現実

黒井文太郎さんの分析は以上です。

今後も日本の上空を北朝鮮のミサイルが飛んでいく可能性はあります。
爆弾は積んでないとはいえ、誤動作や墜落の可能性もあるので不安が消えることはありません。
まずは月曜日に国連で行われる、北朝鮮への決議に注目しましょう。
(尾関)

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