2017年9月9日(土)

大物音楽プロデューサーと共に逮捕された女性が、苦しみ苦しませた7年間

北野誠のズバリ / ニュース

木曜日の日替わりコラム「3時にズバリ」は、大川興業の裁判傍聴芸人で、ニュースウォッチャーの阿曽山大噴火による裁判傍聴レポート。

今回9/7のレポートでは、先週8/30の水曜日に東京地裁で行なわれた、畑中乙穂(いつほ)被告人(27歳)の初公判についてお伝えします。

畑中被告は、氷室京介の名付け親でもある大物音楽プロデューサーと共に、覚せい剤取締法違反の容疑で今年6月に逮捕された人物です。

超大物Pと共に逮捕

その大物プロデューサーとは、月光恵亮(つきみつ けいすけ)被告人(65歳)。BOΦWYやLINDBERGなど数々の人気アーティストを手掛けました。
かつて経営していた事務所の部下だった、白井一祥(かずよし)被告人(39歳)も当時共に逮捕されています。

この月光被告人の初公判については、2週間前の8/24に、このコーナーで取り上げました。その時は、月光被告人と畑中被告人との関係がハッキリしないままでした。今回、それが明らかにされます。

では、畑中被告人の公判の模様を紹介していきましょう。

起訴されたのは、次の2件です。
畑中被告人が、覚せい剤0.41gを所持した件。
畑中被告人が、月光被告人の家の中で、覚せい剤を気化して吸引した件。いわゆる“あぶり”です。

検察官の冒頭陳述は次の通りです。

「畑中被告人は現在27歳。前科はなし。高校を中退した後、職を転々としており、犯行当時は10歳のこども(女児)を母親に預けて、月光被告人の家で生活をしていた。
畑中被告人は5年前に月光被告人と知り合って、3年前から同居するようになった。
今年の1月から、月光被告人の家に出入りしていた白井という男の勧めで、覚せい剤を使うようになった」

10歳のこどもがいながら実家に預けて、月光被告と一緒にいるという、謎の生活。大抵の人は愛人と疑うことでしょうね。

母親と娘の失われた7年間

法廷には、畑中被告人の母親が、刑罰の軽減を求めるべく情状証人としてやってきたそうです。

この母親によると、7年前に畑中被告人は突然、家を出ていってしまったといいます。当時3歳だった娘を置いて。
当然母親は携帯に電話なりメールなりで連絡を取ろうとします。が、畑中被告の携帯電話は解約されてしまったため、その後7年間連絡がつかなかったのだそう。
そんな中、逮捕されたというニュースを見てビックリしたとか。

置き去りにされた畑中被告人の娘は、自分にとっては孫でありながら我が子のように育てていたというその母親。
「3歳までの記憶しかないけど、ちゃんと母親(畑中被告人)の顔は忘れてないんですよ」と語ったそうです。

今後畑中被告人が社会復帰した際には「ちゃんと自分で生活を立て直してからじゃないと、実家で一緒に生活することは許しません」と、厳しい発言もした母親。
失われた7年間はそれほど重いということなのでしょう。

愛人ではなかった!

ここからは、弁護人による被告人への質問です。

―いつから月光被告人の家に住むようになったんですか?(弁護人)
「3年前の2月くらいからです」(畑中被告人)

―月光被告人は取り調べに対して、「恋愛感情はなく、親心で住ませてあげていた」と言ってるようですけど、間違いないですか?
「そうです」

家出してきて可哀想だから住まわせてやるよという感じだったようです。38歳差なので、愛人ではなく本当に親心だったんでしょうね。

―生活費や仕事とかはどうしてたんですか?
「月光被告人の手伝いをして、月に1万5千円くらいもらってました」

それが小遣いで、あとは家賃もいらないし、覚せい剤もタダで手に入るし…という生活だったようです。

―覚せい剤は誰に勧められたんですか?使用頻度は?
「白井さんです。週に3、4回使ってました」

―使う時は月光被告人の家ですよね。彼はあなたが覚せい剤を使っていることを知っていたんですか?
「私と白井さんが部屋で一緒に使ってるのを見て、月光さんが『ああ、使ってるの?』と言ってたので、知ってたと思います」

すっかりスナック感覚です。とんでもない家ですね。

―そもそも、勧められたとはいえ、なぜ覚せい剤を使おうと思ったんですか?
「不安なことがあったので、それで手を出してしまいました」

―不安って何ですか?
「子どもを実家に置いて出てきたことです」

―家出してから7年間ずっと不安に思ってたんですね。そもそも、娘を置いて家出をした理由は何なんですか?
「今考えてもわからないんですけど、育児が嫌になったのか、もっと遊びたかったのか…」

今はすごく反省しているようです。覚せい剤には二度と手を出さないと約束をして、質問終了です。

いつか娘に会えるまで…

続いては、検察官からの質問です。

―こどもを置いてきて不安だと。じゃあ母親にずっと連絡しなかったのはなぜなんですか?(検察官)
「今更どんな顔をして会えばいいのかわからなくて…」

―さっきあなたのお母さんが「すぐには同居させない」って言ってましたけど、大丈夫ですか?
「いつか娘と会えるのを夢見て立ち直りたいんです」

最後は裁判官からの質問です。

「覚せい剤って、再犯がすごい多いんですよ。断つには相当な覚悟が必要なんですけど、大丈夫ですか?」

この問いかけに、涙ながらに畑中被告人が答えます。

「娘の手本にならなきゃいけないと思ってますので、娘が大きくなった時、自慢できるような母親になりたいです。それを思い出して、ちゃんと克服します」

ここまで話して「結構泣かせる話じゃないですか」と言う阿蘇山大噴火。

パーソナリティーの北野誠は「泣かせる話やけど、あんた『育児イヤや』って辞めて出て行ったんちゃうんか!?と思うしなあ」と、ごもっともな感想を述べます。「元はと言えば…」ってことですもんね。

ただ、裁判傍聴を通じて様々な人間模様を見てきた阿蘇山大噴火。「一度はイヤで飛び出したんだけど、愚かさに気付いて、娘のために更生を誓う」というドラマを、ハッピーエンドにしようと応援したくなるのでしょうね。

結果がすぐわかる番組構成

その後、検察官が懲役1年6ヶ月を求刑して閉廷しました。

1週間前に行なわれた公判を、スピード性が求められるこのコーナーで、なぜ今更取り上げたのか?
それは、この日の午後1時15分に判決が言い渡されたからです。このコーナーは午後3時20分過ぎから始まるので、つい2時間ほど前の、ホカホカの速報をお届けできるからなのでした。さすが、うまいこと構成しますね。

結果は懲役1年6ヶ月。初犯のため執行猶予3年がつきました。

判決後、裁判官が畑中被告人にこう諭したそうです。
「この3年間、覚せい剤を含め、他に何か悪いことをすれば、刑務所に行かなきゃいけなくなります。そうなるとますます、娘さんに会えなくなりますよ」

娘さんのためにしっかり更生して、良い人生を構成していってほしいものです。
(岡戸孝宏)

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