森永大学 政治経済学部

【新NISA】国債も対象に?政府が今「個人向け国債」を買ってほしい本当の理由

近年、新NISAを活用して株式や投資信託(S&P500やオール・カントリーなど)に投資する人が増えています。そんな中、財務省と金融庁が「個人向け国債」の税制優遇やNISA対象化を検討しているというニュースが浮上しました。

なぜ今、政府は国債をNISAの対象にしようとしているのでしょうか?今回は、この議論の背景と、その裏にある政府の思惑について解説します。

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金利が上がっている=国債が売られている!

1.国債NISA化の浮上と現状の仕組み 

現在、財務省や金融庁において、個人向け国債の税制優遇案が検討されています。主なポイントは以下の通りです:

  •  主な検討案: 個人向け国債をNISAの対象に加えることや、国債を相続した際の相続税を軽減する案などが挙げられています。

  • 注意点: これらはあくまで「検討段階」の案であり、確定した制度ではない点に留意が必要です。

  • 現在のNISAルール: 現行のNISAでは、国債に投資する「投資信託」や「ETF」は買えますが、国債そのもの(生債券)を直接購入することはできません。
     

2. なぜ今「国債」なのか?利回り上昇と政府の思惑 

これまで低金利が続いていた日本ですが、最近は金利上昇に伴い、個人向け国債の魅力や利回りに変化が生じています。
 

個人向け国債の種類と最近の利回り 

個人向け国債には主に3つのタイプがあります:

種類 特徴 2026年8月時点の募集金利(目安)
変動10年 🔄 金利の変動に合わせて受け取る利息が変わる 1.87%
固定5年 🔒 5年間、購入時の金利が固定される 2.06%
固定3年 🔒 3年間、購入時の金利が固定される 1.71%

固定5年で2%を超えるなど、かつての超低金利時代と比べると利回りは大きく上昇しています。

 

政府が国債を買ってほしい「本当の理由」 

政府が国民に国債を買わせたい背景には、単なる「資産形成の支援」だけでなく、国の財政上のリスクヘッジという思惑が存在します。

現在、日本国債の大半は日銀や国内金融機関が保有していますが、日銀が金融政策を正常化(国債の買い入れを縮小)していくと、国債の買い手が減少します。もしその穴を海外投資家が埋めることになれば、海外勢の売り買いによって日本の金利や為替が激しく揺さぶられるリスクが生じます。

そのため政府は、「海外投資家に頼るのではなく、自国の国民(家計)に国債を長期保有してもらい、国債市場を安定させたい」と考えているのです。

 

3. 投資家にとってのメリットと懸念点 

国債がNISA対象になることについては、立場や年代によって評価が分かれます。

  • 選択肢の拡大(シニア層へのメリット): 20代~30代の資産形成では株式中心の運用が主流ですが、定年退職を迎えた世代にとっては、リスクを抑えて確実に2%前後の利回りを確保できる国債は有効な選択肢となります。

  • 相続税優遇への疑問: 国債保有者に対して相続税を優遇する案については、「二重課税の問題」や「格差是正という相続税本来の目的との整合性」といった観点から、慎重な議論が求められます。

 

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本記事の内容は、2026年9月4日配信のポッドキャストの内容に基づいています。


 

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