北野誠のズバリ

SNSで「独身税」と話題「こども・子育て支援金制度」のしくみ

『北野誠のズバリ』(CBCラジオ)の「ズバリマネー相談室」コーナーでは、保険や税金、貯蓄、節約などお金にまつわる疑問や相談を募集しています。

4月21日の放送では、小宇佐・針田(こうさ・はりた)FP事務所のファイナンシャルプランナー、針田真吾さんが2026年度から導入される「子ども・子育て支援金制度」について解説しました。

聞き手はパーソナリティの北野誠と大橋麻美子です。

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年間1兆円が目標

今回、番組で取り上げたおたよりは次のとおりです。

「最近SNSで『独身税の導入』などという記事を目にします。少子化対策のようですが、また税金の負担が増えるということでしょうか?

税金を取られるばかりで、独身者には恩恵がないなら不公平のように感じるのですが、どんな内容なのかを具体的に教えてください」(Aさん)

「独身税」という表現が踊っていますが、もちろん実際にそのような名前ではないですし、独身の方だけ負担するものではありません。

これは昨年6月に法改正があって成立した「子ども・子育て支援金」のことを指します。
少子化対策のために来年4月に6千億円、再来年は8千億、2028年には1兆円の予算確保を目指すとのことですが、そのために社会保険の負担が増えます。

独身か既婚か、こどもの有無に関わらず負担は増えるのですが、回り回ってこどもにお金が使われるため、「独身は損だ」という風潮になっています。

負担額はどれぐらい?

どれだけの負担が増えるのかという点ですが、健康保険料として負担されるため、国民健康保険や会社が入っている保険組合の種類、また所得によってまちまちです。

こども家庭庁が全ての健保の平均値として試算しているのが、来年が月250円、再来年は350円、その後は450円増えるとのこと。

また、年収が600万円の場合、来年が月600円で3年後は1,000円という試算もありますが、さらに労使折半ということで、勤めている会社側も同じだけ負担することになります。

集めたお金は何に使われる?

では逆に、集めたお金に対して恩恵が受けられるのはどのような方なのでしょうか?

まずは18歳未満のこどもがいる方で、すでに昨年の10月に児童手当の拡充が始まっています。
また、この4月から「出生後休業支援給付金」が創設され、育休中の手取りが増えるようになっていて、育休手当が一時的に増額されます。

以前は育休を取得する前半年間の平均賃金の67%まで下がっていましたが、これを80%、つまり手取り相当にまで上げるというものです。

ただ、最大28日間となっているため、あくまでも一時的なものであり、さらに夫も育休を取らないと受けられない点は注意が必要です。

また、育児休暇手当には上限があるため、もともと月給で47万円以上もらっている場合、働いている時の手取りよりも少なくなるとのことです。

時短勤務に給料の補てん

また、「育児時短就業給付金」という制度も創設されます。こちらは2歳未満のこどもを持つ親を対象として、時短中の賃金の10%を追加で支払うというもの。

例えばフルタイムで30万円もらっていた方が時短で2割減って24万円になった場合、2万4千円が追加されます。
ただ、会社側がハローワークに行って2か月ごとに手続きをしなければならないため、負担が増えてしまいます。

現在時短中の方も対象の制度ですので、当てはまる方は確認してみてはいかがでしょうか。
(岡本)
 
北野誠のズバリ
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2025年04月21日14時13分~抜粋

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