北野誠のズバリ

廃プラがオシャレな建材に!"もったいない"から生まれた元航海士の挑戦

CBCラジオ『北野誠のズバリ』、「松岡亜矢子の地元に聞いちゃうぞ」のコーナーでは、海洋プラスチックごみを新素材として再利用する取り組みを行う元航海士の間瀬雅介さんを取り上げました。

間瀬さんは、三重県鳥羽市で「REMARE(リマーレ)」という会社を立ち上げ、海洋プラスチックを使った新素材を開発。 海に浮かぶプラスチックごみを「もったいない」と捉え、美しい建材に生まれ変わらせる独自の技術を生み出し、環境問題に新たな視点をもたらしています。

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航海士の視点が生んだ新発想

世界的な環境問題として深刻化している海洋プラスチックごみ。多くの人がその処理に頭を悩ませていますが、元航海士の間瀬さんは南極航路の途中、フィリピン海沖で大量のプラスチックごみを目にした時、「もったいない」という異なる感覚を抱いたといいます。

この発想は、航海中の豊富な経験から生まれました。

航海士の他に機関士としても働いていた間瀬さんは、「海の中にあるもので何かを作る、何かを直すという作業をする中で、プラスチックはとても優れた素材」と語ります。

プラスチックは比較的低温で溶けるため、エネルギーコストがとても小さく、いろいろなものに変形させることができるすぐれた素材なのだそうです。

「そんな素材が海の上に結構散らばっていて、なんかもったいないな(笑)っていう。この素材を使って何か面白いことをやろうと決めて、陸に降りました」と、間瀬さん。

間瀬さんには「いつか自分の船を持ちたい」という大きな夢があり、その夢を叶える資金を作ろうと、事業を始めました。航海士時代の経験から得た着想を活かし、海洋プラスチックを再利用する事業に取り組んでいます。

「難リサイクル素材」に挑む!

プラスチックは、ビーチクリーン運動や製造工場から出る「難処理プラスチック」の買い取りによって調達しています。難処理プラスチックとは、異なる種類のプラスチックが組み合わさった素材のことです。

例えば、ペットボトル本体は単一素材で作られているため、比較的リサイクルが容易です。しかし、お菓子の袋や薬のシートのように複数の素材が組み合わさったものは、それぞれの融点が異なるため、従来のリサイクル方法では処理が困難でした。

この課題を解決するため、間瀬さんは航海士を辞めた後の3年間、研究に没頭。異なる素材の組み合わせや溶解温度、配合率、圧力のかけ方まで、徹底的に調査と実験を重ねました。

その結果、さまざまな種類のプラスチックを溶かし、ひとつの「板」として再生させる技術の開発に成功したのです。

大理石?アイス?驚きのサンプル

そのサンプルを見た北野は、「パッと見、大理石みたい!すごいね!これ、プラスチックなの?」と驚きの声を上げました。

松岡は、板の中にあるさまざまなプラスチックの粒が「クッキーやラムネが入っているサーティワンアイスクリーム」のように見えたそうです。

触り心地はひんやりとしており、もともとプラスチックのため、ネジで固定するのではなく、熱で溶かしてお互いを接着させることができるという特徴があります。素人でも扱いやすいのが、この素材のおもしろいところです。

複合プラスチックの未来

間瀬さんが「複合プラスチック」と呼ぶこの素材は、現在、空間デザインや建築業界でも注目を集めています。

「空間デザインや建築業界では、大理石の代替品として使われることが多く、石のような質感を残しつつ、人工的な特徴もある素材です」と間瀬さん。

また、「スピーカーやアーティストの作品に使われる素材には、大理石や木材がありますが、そこに“複合プラスチック”という新たなジャンルを加え、当たり前の選択肢にしたい」と展望を語りました。

そのために、さまざまなプラスチックを扱う企業と協力し、市場作りに取り組んでいるそうです。

環境×デザインの新発想

この素材は「何よりも見た目がオシャレ」と松岡。

「正方形の板でホテルの壁とかにかけても、なんかのアート作品かなって思います」と続けました。

すると北野も「普通に玄関にこれ敷き詰めても違和感ないね」と共感。建材としての可能性が広がっています。

「環境のためなら多少不便でも、ダサくても我慢する、という考え方では長続きしない」という課題意識から、デザイン性を追求。環境への配慮を無理なく続けられる点が、企業からも注目を集めているそうです。

また、アーティストだけでなく、製造業の関係者からも「この廃プラスチックで新しい素材や柄を作れますか」といった相談が寄せられているとのこと。

興味を持った方は、検索サイトで「海洋プラスチック リマーレ」と入力すると詳細を確認できます。

「もったいない」から生まれたこの技術が、環境とデザインを両立させる新たな選択肢として、今後ますます広がっていきそうです。
(minto)
北野誠のズバリ
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2025年02月19日14時38分~抜粋

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