北野誠のズバリ

イギリスの医学界が発表!教育、空気の悪さも認知症の原因になる?

朝日新聞によれば、イギリスの医学誌ランセットの専門家委員会が、難聴や喫煙、社会的孤立など14項目のリスク要因を取り除くことで、認知症になる人の45%は予防できるとする報告書を公表したと報じました。

これまでに発表された各国の疫学研究などの成果を網羅的に検証したものです。

12月14日放送『北野誠のズバリサタデー』(CBCラジオ)では、本郷赤門前クリニック院長、医学博士の吉田たかよし先生が、この記事の内容について解説しました。

聞き手はパーソナリティの北野誠と加藤由香アナウンサー、オリンピア法律事務所の原武之弁護士です。

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上の血圧の数値をチェック

まずチェックしたいのは血圧。
40歳以降で収縮期血圧、つまり上の血圧を130以下で維持すると認知症になりにくいそうです。

これは血管の壁に最も力がかかる上の血圧が高いと、脳の血管にも動脈硬化が進んで認知症になりやすいからだそうです。

また、運動が認知症のみならず身体に良いのは当然ですが、実際にどれぐらい運動すれば良いのでしょうか?

吉田「散歩だけでは不十分で、ジョギングぐらいのちょっときついぐらいの運動を1日あたり25分ぐらい行なうと認知症になりにくい」

この他、頭にダメージを負うと認知症になりやすいとのこと。
そのため日頃自転車に乗る時はヘルメットを着用して頭を保護することも重要だそうです。

難聴や白内障に注意

今回発表された14項目について、特に吉田先生が注目するのが「難聴」への早期対処。

「耳が聞こえにくくなったら、できるだけ早く補聴器を利用するべき」と勧めました。

人は他人との会話を通じて脳を心地よく刺激することができます。
ところが難聴になると他人と話す意欲を失い、家に閉じこもりがちになり認知症が進む危険があるそうです。

また「白内障による視力低下を早期に治療しておく」という項目も新たに追加されました。
これも難聴同様に、症状が進むと家に閉じこもって他人とコミュニケーションを取りたくなくなる危険性があるとのことです。

空気が悪いのも危険

そして、LDLコレステロール、いわゆる悪玉コレステロールの値が高い場合も注意が必要とのこと。
脳梗塞のリスクもありますが、自覚症状がないうちに脳の細胞にダメージを受けることがあり、これが認知症につながる危険があるとのことです。

基準値を超えたら薬による治療をすべきですが、吉田先生は「地中海式ダイエット」を勧めます。

具体的には野菜や果物、魚、オリーブオイルを使った料理や、全粒穀物という精製されていない全粒粉を使ったパンやパスタ、玄米を食べるのが良いそうです。

さらに認知症を予防するためには、実は幼児期からの対策が有効とのこと。
14項目の中に「質の高い教育」というものがあり、積極的に頭を使う習慣を身につけると、遠い将来でも頭を使う習慣を持つことで認知症予防につながるそうです。

そして、生活環境については大気汚染が認知症のリスク要因として挙げられています。
PM2.5や一酸化窒素や二酸化硫黄といった大気汚染物質を吸い込むと、認知症が10~20%増えるという分析結果もあるそうです。

認知症はひとつの原因で起こるわけではなく、さまざまなことが悪影響を及ぼすようです。
(岡本)
 
北野誠のズバリ
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2024年12月14日09時42分~抜粋

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