毎日新聞などの記事によりますと、11月12日、70代の女性から金を騙し取ったとして中国籍の34歳の男が逮捕されました。
男はSNSから経済アナリスト森永卓郎氏の写真を使ったLINEアカウントに誘導し、指定された口座に振り込ませることで、女性は合わせて8億900万円の被害に遭いました。
SNS型投資詐欺の被害額としては過去最高額と見られています。
11月14日放送『北野誠のズバリ』(CBCラジオ)では、なぜSNS型投資詐欺に騙されるのか、騙されないためにはどうすれば良いのか、北野誠と山内彩加アナウンサーが解説しました。
SNS型投資詐欺の手口
女性が詐欺に遭ったきっかけは、女性が1年前にInstagramで広告を見つけたこと。
クリックするとLINEアカウントの友だち追加に誘われ、相手のアカウントの写真が森永氏だったことから、女性は本人だと信じ込んでしまったそうです。
森永氏を騙るLINEアカウントからは「私は忙しいため、アシスタントを紹介します」というメッセージが来て、そのアシスタントから「月に85%の利益が期待できる」という金融取引を持ちかけられたとのこと。
アシスタントからアプリのダウンロードを指示され、そのアプリには自分の投資額と利益額が表示されるというものですが、当然のことながら表示される数字はデタラメ。
手口としては昔のペーパー商法と変わりません。
アプリで信用した女性は8回にわたって5千万円を振り込んだだけではなく、さらに駅に呼び出され、詐欺の受け子に現金8千3百万円を渡してしまいました。
結局、手数料やら保証金やらの名目で金を渡し、計49回の送金で総額が8億円を超えてしまったとのことです。
精巧になっていく詐欺の手口
なお、森永氏は以前からラジオ番組などで「自分はSNSを一切やっていないため、すべて偽物です」と表明。
他にもジャーナリストの池上彰氏や実業家の堀江貴文氏や前澤友作氏、落語家の笑福亭鶴瓶氏などの名前を勝手に使った広告が問題となっています。
SNS型投資詐欺の被害総額は今年の9月までの時点で703億4千万円、この時点ですでに昨年の4.7倍にのぼっています。
被害者の7割は50代から70代。
高齢の人ほど資産がある上に、だまされやすいようです。
その他、詐欺の例としては、最初は実在する証券会社で口座を開設することを持ちかけ、最初こそ投資額をきちんと返して信用させてしまいます。
その後に別の証券会社に口座を作るように持ちかけられるのですが、こちらは偽物で、精巧にできたサイトに誘導するそうです。
文章から詐欺を見抜く方法
詐欺に騙されないためにはどうすれば良いのでしょうか?
昔から詐欺の手口を数多く見てきた北野は「月に85%の利益」という桁外れの利益をうたっていることと、「元本保証」という文言には気をつけるべきと力説。
北野「日本の金融証券市場の法律で『元本保証』をうたってる時点で詐欺なんです。
次に『85%の利益』はあり得ません。確かに今から10年以上前にビットコインを買ってたら桁違いの金になってますけど、そういうのとは違いますから」
また、今はビットコインの価格が上がり過ぎて手を出しにくくなっているところに、金額の低い新たな仮想通貨を持ちかける詐欺が増えているそうです。
基本的に自分がよくわかっていないものには手を出さない方が良さそうです。
(岡本)
北野誠のズバリ
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2024年11月14日13時14分~抜粋