身近な疑問・質問・お悩みを解決する『北野誠のズバリ』(CBCラジオ)の「ズバリ法律相談室」のコーナー。
8月28日の放送には、リスナーAさんから「食べ放題のお店で残った食べ物を持ち帰ることは違法?」という質問が寄せられました。
まれに持ち帰っている人を見かけることはありますが、実際はどうなのでしょうか?オリンピア法律事務所の原武之弁護士がこの質問に答えました。
タッパーでお持ち帰り
Aさんからの質問はこちらです。
「よくファミリーレストランで食べ放題やドリンク飲み放題がありますが、あれはお持ち帰りしていいんですか?以前、他のお客さんが自分の食べ残しをタッパーに入れているのを見かけました。残ったものを捨てることを考えるともったいないとは思いますが、それを持って帰ること自体に問題はないのでしょうか?」(Aさん)
確かに捨てることを考えるともったいない気はしますが、タッパーを用意しているとなると、最初から持ち帰る気満々だったことが伺えます。
「私はちょっと恥ずかしい気持ちが混ざってしまうのでできませんが、店によってもルールが違うのでしょうか?もし法律で決まっていることがあれば教えてください」(Aさん)
窃盗罪に問われる可能性も
この質問に「僕の泊まっているホテルの朝食バイキングでは、中国人旅行者の方がこれよくやってます」と北野誠。
特に、ロールパンやミニクロワッサンを袋に入れて持っていくというのです。
北野「多分、バスで移動する間におやつとして食べるんやと思うんですよ」
しかし、基本的な考え方はどうなのでしょうか?
原弁護士「当然日本のバイキングや飲み放題は店内中心で、持って帰ってはいけないですよね」
これは「商慣習」。許可がないのに持ち帰ると、契約違反で損害賠償や、窃盗罪に問われるリスクもあり得るということです。
ドリンクバーを水筒に!
北野「ドリンクバーの飲み物を水筒に入れるのは?」
原弁護士「これも同じで、そうなるとバケツはいいのか?大きいものに入れていいのか?という話になると全部持っていかれちゃうので。誰もが常識として店内で飲むことを前提にしてるということになりますよね」
これもやはり「窃盗」に当たりますが、北野が宿泊しているホテルではたびたび目にするといいます。これは国が違うせいなのでしょうか?
原弁護士「ルールがわからないから、明確に書かなきゃいけないのかもしれないですけど」
店側に生じるリスク
この行為が判明した場合、店側が罪に問うことはできるのでしょうか?
原弁護士「警察に通報して窃盗となるリスクもありますし。当然、損害賠償ということでジュース1杯分の代金を払わせるということになりますね」
北野「この手の問題で一番店側が困るのが、『食あたりになった』と言われることなんですよ」
原弁護士「食べ放題じゃなくても、例えば『定食を頼んであまったから持って帰りたい』という場合。
本当は自分が頼んだものなのでいいはずですが、やっぱりお店は食中毒は怖いから『できるだけ控えてください』とか『持って帰っても今日中に必ず食べてください』とか言いますね」
食べかけのおかずをタッパーに詰めて持ち帰った場合、帰宅時や帰宅後の保管状態によっては傷むこともあります。
特に夏場は非常に危険です。
バイキングは「その場で食べる」
北野「そのあと放っておいて、冷蔵庫もちゃんと入れんと夜中に食べて、腹痛起こして店を訴えたっていう話もあって」
食べ放題以外でも持ち帰りを禁止しているお店には、こういったリスクを回避したいという事情もあるのです。
北野「生ものとか持って帰って、いつ食べるかわからへんわけですから。それで『あそこの店であたった』って言われたら営業停止になりますからね」
原弁護士「SNSに書かれるだけでも痛手ですからね」
北野「皆さんほんまにバイキングは"その場で食べる"ということをやっておいていただきたいです」
食べ放題や飲み放題では「持ち帰り禁止」が当然。ましてタッパーや水筒を用意してくるなど言語道断です。
罪に問われる可能性もあるので、絶対にやめましょう。
(minto)
北野誠のズバリ
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2024年08月28日14時14分~抜粋