CBCラジオ『北野誠のズバリサタデー』では、パーソナリティの北野誠が、話題の本の著者にインタビューしています。
6月15日の放送で登場したのは、『おいしい話なんてこの世にはない どん底を見たベテラン芸人がいまさら気づいた56のこと』(KADOKAWA)を4月に上梓した、お笑いコンビTKOの木本武宏さん。
この本では7億円の投資トラブルで人生のどん底を経験した木本さんが、自らの戒めをまとめています。
暗号通貨がきっかけ
木本さんが投資を始めたきっかけは、テレビ番組で知り合った人から暗号通貨を勧められたこと。
2017年に50万円から始めましたが、ビットコインの価値がわずか7か月ほどで8倍になるほど急騰したそうです。
現在はさらに何倍にも上がっていますので、そのまま置けば良かったのに、絶えずスマホで値動きを見ていたため、短期で売ったり買ったりしてしまったのだそうです。
8倍になった翌月に急激に下がり、元手からは十分得していたものの、あまり暗号通貨の知識がないまま、取り引きを続けてしまったと振り返ります。
仲間にトレーダーを紹介
その後、「暗号通貨はまだまだ不安定だから、法定通貨を使ったFXというのを勉強したらどうですか」という話に、木本さんは自分から「FXについて教えてくれ」と頼みこみました。若くて優秀とされるFXのトレーダーを紹介され、FXの世界に入り込んでいくのです。
ただ知れば知るほど、「仕事をしながらFXの取引をするのは無理」と考え、代わりにトレードしてほしいと頼んだそうです。
この時点ではまだ自分の資金だけの運用で、損をしても自己責任で済む話でしたが、それを他の人にも勧めたことが、後に大きなトラブルへと発展してしまいます。
木本さんは暗号通貨の運用をしていた時から、投資に興味のある人と飲み会を開いていました。
その席でFX取引で資産が増えている話をしたところ、「自分も投資したい」という声が集まり、木本さんはそのトレーダーの紹介窓口のような役割になってしまいました。
中には「そのトレーダーに会いたくないから、代わりにお金を渡しといて」と頼む人もいて「対応してしまったのも自らの反省点」と振り返ります。
人生を振り返って反省
そして木本さんが頼っていたトレーダーがある日行方をくらますことに。
後でわかったことですが、トレーダーは途中で大きな損失を出したプレッシャーから自転車操業のように投資を続け、結局立ち行かなくなったそうです。
そして、このトラブルが世間に知られるようになり、木本さんは出演番組が突然の打ち切り、さらに事務所の契約終了へとつながっていきました。
事務所の先輩だった北野は、本書の執筆にあたって自分の人生を見つめ直して気づいたことは何だったのか、木本さんに問いかけました。
木本「結局自分で気づいたのは、本当にいい格好しいというか、一番は正直言ってそこなんです。『すごい』って言われたいという一心で、こどもの頃から生きてたんです。
だから、流行りそうな曲を人よりも先に入手しては紹介して、『この曲いいやん』って広がったら大満足みたいな。
これがどんどん大人になっていくと、化粧品だったり家電だったり、先に情報を得てはみんなに披露してっていう。
僕はお笑いっていう仕事をしてるので、仕事ですごいって思われないといけないのに、何かオプションの部分ですごいと思われようというのが、どんどん膨らんでいってたんですね」
どん底に落ちた時はどうすべき?
木本さんはかつて『アメトーーク』(テレビ朝日系)などで、家電芸人としてまだあまり知られていない家電製品を紹介。放送後にその家電が売れた経験が成功体験になっていました。
北野「芸人も一般社会のサラリーマンの方もそうやけど、50歳っていうのが、『確固たるものがあるか?』と思うのよね」
木本さんは今回の経験を経て、他人から「実はこんな大変な経験をして」と明かされるようになり、「大変なのは自分だけではない」と知ったこと、そして「相方の木下隆行とまたコントを作る気持ちに戻せたのがありがたいこと」と語りました。
一方で北野も50代で謹慎となった経験を持ちます。
その時に学んだのは「運気が落ちている時は、何をやっても負のスパイラルに陥る」とのことで、当時行っていた投資や経営は裏目に出ていたと振り返ります。
その意見に納得した木本さん、最後に北野から「これからTKOは面白くなると思う」とエールを贈られました。
(岡本)
北野誠のズバリ
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2024年06月15日10時28分~抜粋