北野誠のズバリ

罵声や不当な要求で取引先を訴え!「カスハラ裁判」の行方

2024年05月14日(火)

ニュース

毎日新聞などによれば、取引先企業の社長から罵声や不当な要求などのカスタマーハラスメント(以下カスハラ)を受け、従業員が抑うつ状態に追い込まれたのは業務遂行権の侵害にあたるなどとして、東京都の住宅設備販売会社が取引先の2社に計1,100万円の賠償を求める訴訟を札幌地裁に起こしました。

原告の代理人弁護士は「法人間でのカスハラ訴訟は全国的に珍しい」と語っています。

5月11日にCBCラジオで放送された『北野誠のズバリサタデー』では、オリンピア法律事務所の原武之弁護士が気になるニュースとして、この記事を解説しました。

会社が会社を訴える

カスハラは日本で大きな問題となってきています。
これまでの「お客様は神様」という発想から転換して「客の過剰な要求やクレームには毅然とした対応が必要である」という考えが徐々に浸透しつつあります。

政府も対策に力を入れようと、カスハラから従業員を守るように労働施策総合推進法の改正を検討していますが、今回は会社が会社を訴えるケースとなっています。

原「得意先が無理難題をいろいろ言ってきて、中には長時間怒鳴ったり悪い風評を流したりしたので、さすがに我慢の限界だということで、大口の取引先なんですけど法人が法人を訴えたと。

裁判の内容がどうなるかによりますけど、法人と法人の間でも賠償義務が生じると、(暴言などを)言った方が言わないような努力をしなければならなかったんだということになると、だいぶ商慣行は変わるんじゃないかなと。

今まで『俺の言うこと聞けよ』とか『協力しろよ』という表現自体も今後危なくなると。

そうすると重要なのは、契約とかきちっとした話し合いにあると思うので、今までのなあなあの商慣行からすると、だいぶ流れは変わっていくだろうなと」

カスハラで受ける被害

もし裁判で訴えられた方が負けると、これまでの商売のやり方が変わりそうとのことですが、北野はその流れに肯定的です。

北野「いい流れじゃないですか?」

原「最後被害をこうむるのは現場の社員さんたちなので、言うことを聞かないといけない立場を利用されて、あれやれこれやれと言われてやらされたり、土日も出勤させられたり残業させられたりすると、働き方改革にも反するし、精神的にもプレッシャーになる。

それを軽減するのは、とても良いことだと思います」

今後の商取引はどうなる?

本来、お店とお客は対等な立場であるもので、単にお金をもらいその対価としてサービスや商品を渡すという関係であるはずです。

そのため、理不尽なクレームのあと「二度とこの店で買わない」と言われても「そうですか、どうぞどうぞ」と言えれば良いのですが、現実はなかなかそういうわけにはいきません。

原「そういう文化になれば、例えば対応が悪いとかYouTubeに晒したりするというのも、逆にそれがハラスメントじゃないかということにもなるし。
抑止になるから非常にいい流れで、他にもハラスメントはたくさんあるので、そういう文化ができるといいなと思ってます」

カスハラ以外にも、相変わらずハラスメントはあるので、昔は良くても今の物差しでNGとなるものは意識しなければならないですね。
(岡本)
 
北野誠のズバリ
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2024年05月11日10時50分~抜粋
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