北野誠のズバリ

ネットの評価制度に被害訴え!口コミはどこまで信用できる?

毎日新聞などの記事によると、地図アプリ『Googleマップ』に医療施設を一方的に掲載され、不当な口コミを掲載されたとして、4月18日、都内の医師など全国の医療関係者63人がアメリカのGoogle社に計145万円あまりの賠償を求める集団訴訟を東京地裁に起こしました。

問題のある投稿を削除するようGoogle社に求める法的手続きは負担が大きいため、賠償請求を通じてプラットフォーマーの責任を問うことにしたとのこと。

誰でも意見が発信できるようになったのはネットの良い点でもあり、悪い点でもあります。

CBCラジオで20日に放送された『北野誠のズバリサタデー』では、この裁判のポイントについて、オリンピア法律事務所の原武之弁護士が解説しました。

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悪い意見も書き放題

Googleマップでは医療機関に限らず、さまざまな店や施設に対して評価を行うことができる機能があります。

原弁護士「(評価の内容について)誰も検証しないし、悪口のオンパレードみたいなところもあるし」

北野「僕が時々行ってる病院も星1つで、一方的に怒ってはんねんけど『そうか?』と思うところもあるし」

原弁護士「しかも『態度が悪かった』とか微妙な、何とでもとらえられるような。よくわからない」

北野「自分の思ってる診察を受けてなかったら、たいがい文句を言うてはると思うんですけど、自分の思い通りにはならんからね」

病院側が反論できない事情

飲食店などでは悪い評価をつけられたら、コメント上で店舗側が反論するケースもありますが、病院の場合はそうもいかない事情があります。

原弁護士「反論したくても守秘義務があって反論できない。あの患者さんかなと思っても、その患者さんのことを書いたら逆に問題になっちゃうので、黙らざるを得ない」

そのようなケースが発生した場合、今までは「発信者情報開示」といって書き込んだ人を明らかにした上で、名誉毀損や業務妨害で訴えるという手段を取る方法がありました。
ただし、時間がかかる上に、1人1人対応していてはキリがありません。

そこで今回の裁判では、情報を提供している大元のGoogle社を訴えることになったようです。

ネットの口コミは信用できる?

ネットのなかった時代は、病院の評判は周りに聞くしかありませんでしたが、今や飲食店や映画なども、ネットの評価を見て行くかどうか決めるということが増えてきています。

原弁護士「レストランとか旅館とか映画って(評価の内容を)見ると詳しく書いてる人が多いんですね。
本当に行ったのかなとは思うし、参考情報としてはいいんですけど、医療で『説明を聞いてくれなかった』とか、どれだけしつこく質問したかわかんないし」

利用した人から直接聞く口コミと、ネットの口コミを同じようにとらえてしまいがちですが、特にネットの場合はその感想が正しいのか、客観的なのかがわかりにくいものです。

評価制度を悪用するケースも

原弁護士「例えば商売敵がやってるかもしれないし、個人的な恨みかもしれないし、全然病院とは関係がないかもしれないですよね。

それも検証できないので、Googleに一定の基準を作って欲しいっていうのがやっぱりあって、基準に反しているから削除して欲しいというぐらいまで持っていって欲しいと。

国も今そういう方向で、やっぱり削除要請を受け付けるようにしないと、Googleは巨大な権力を持ってますよね」

大きな店や大企業であれば、良い意見も悪い意見も大量に来るので、判断する材料が多くありますが、地元の店や病院であれば、悪い意見が数件来ただけで影響を受けかねません。

また、ネットで意見をあげていない人が大多数で、そちらの意見はまったく表に現れないので、少数のネットの意見がすべてと判断される危険もあるようです。
(岡本)
 
北野誠のズバリ
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2024年04月20日10時51分~抜粋

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