北野誠のズバリ

各地で祭りが消滅の危機!原因はコンプライアンス?

最近、全国各地で日本の伝統的な祭りが存続の危機に直面していると、『NEWSポストセブン』(小学館)が報じています。

その原因として担い手が高齢化によりいなくなっていること、そして「現代の常識に合わない」という意見が出ることが挙げられています。

CBCラジオで4月4日に放送された『北野誠のズバリ』では、この記事を基に、パーソナリティの北野誠と山内彩加アナウンサーが、祭りが消える原因についてトークを展開しました。

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祭りがSNSで炎上するケースも

日本では8万ほどの神社があり、年間で30万ほどの祭りが開かれています。

三重県の多度大社では、馬が急な坂を駆け上がって頂上にある壁を乗り越える「上げ馬神事」という神事が行われていますが、先日「動物虐待ではないか」という意見が広がり、SNSで炎上しました。

また、ふんどし姿の男性が麻袋を奪い合う岩手県の「蘇民祭」は担い手不足により、1,000以上の歴史に幕を閉じました。

そのような状況の中、先月に新潟県長岡市の山間部にある下来伝という村で、5年ぶりに「ほだれ祭」が開催されました。

「ほだれ」とは稲や粟がたわわに実って穂が垂れる姿が由来の言葉で、農耕の実りを表しています。

祭りが始まったきっかけ

「ほだれ祭」は当初から「越後の奇祭」と呼ばれています。御神体は道祖神のひとつで男根形のほだれ様で、農耕の実りと人の実りを守る神様として古くから信仰されてきました。

この祭りは御神体に地域に嫁いだ女性「初嫁さん」を乗せて担ぎ、安産を祈るというもの。

参加した女性からは「この祭りは土着の信仰で、セクハラなどとは次元が違う」と語り、人口が現在50人の限界集落となっている村にもかかわらず、大勢の人が祭りに集まっています。

祭りが始まったきっかけは、その昔、下来伝の大杉という御神木が夫婦のように2本並んでいましたが、ある時に雷に打たれて男杉が燃えて倒れました。

女杉だけが残りましたが、その後、男性の事故死や病死、若者の早世などが多くなり、村民が悩んだ結果、垂れた穂と男根は似ているということから、男性器を模した木像や石像を女杉の周りに祀ると、男性の事故等はなくなったそうです。

その後、大きな御神体を作り、女性を乗せるようになったとのことです。

祭りの目的は関係ない?

祭りへの批判について、北野は「祭りなんて何から始まってるのかわからない」と指摘。

例えば、京都の祇園祭が始まったきっかけは疫病の流行で、疫病を鎮めるために行った神事です。

ただ、疫病の原因は土葬による感染であり、火葬が浸透した今ではもう必要のないものであるにもかかわらず、今は日本を代表する祭のひとつで、立派な鉾が巡行しています。

医療技術が発達した今なら「鉾を作るよりも火葬に変えた方がいい」と言えますが、当時は原因がわからないからそのような祭りが始められたわけです。

また「ほだれ祭」の由来についても、当時は杉が雷で燃えたことを「だから男性の事故が多い」と真面目に考えられていたからでしょう。

昔から伝わる祭りを現代の尺度で反対するのは、無理があるのかもしれませんね。
(岡本)
 
北野誠のズバリ
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2024年04月04日13時16分~抜粋

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