感染力が強い麻疹(はしか)の患者が、海外渡航者を中心に少なくとも日本で20人確認されています。
3月22日放送のCBCラジオ『北野誠のズバリ』の「中高年よろず相談室」では、この「はしか」について、心療内科本郷赤門前クリニック院長で医学博士の吉田たかよし先生が解説します。
相次ぐ「はしか」感染。なぜいま急増しているのか?
はしかは空気感染する
「最近ニュースで『はしかが…』とよく聞きます。はしかといえば、こどもの頃に罹るイメージの病気です。私自身ははしかに罹ったことがあるようなないような。ワクチンを打ったかどうかも曖昧です。私は何か対策をした方がいいのでしょうか」(54歳・男性)
はしかは空気感染するのでしょうか?
吉田「しますね。はしかは麻疹といって、はしかウィルスの感染によって引き起こされる感染症です。
せきやくしゃみの飛沫を吸い込む飛沫感染もしますが、空気感染もするので、コロナに感染の仕方が似ています。
が、コロナよりはるかに感染力は強いです。免疫を持ってない人が感染者の近くにいたというだけで90%以上が感染します」
どんな症状があらわれるのでしょうか?
吉田「39度以上の高熱、せき、鼻水、目の充血、特徴的なのが赤い発疹です。顔から始まり、やがて全身に広がっていきます」
はしかは空気感染するのでしょうか?
吉田「しますね。はしかは麻疹といって、はしかウィルスの感染によって引き起こされる感染症です。
せきやくしゃみの飛沫を吸い込む飛沫感染もしますが、空気感染もするので、コロナに感染の仕方が似ています。
が、コロナよりはるかに感染力は強いです。免疫を持ってない人が感染者の近くにいたというだけで90%以上が感染します」
どんな症状があらわれるのでしょうか?
吉田「39度以上の高熱、せき、鼻水、目の充血、特徴的なのが赤い発疹です。顔から始まり、やがて全身に広がっていきます」
はしかは怖い
吉田「ただ落とし穴になっているのは、中高年の多くがこどもの頃にはしかに罹っていて、特別な薬を飲まなくても勝手に治ったという経験があるわけです。
中には、それで『はしかは大した病気ではない』と思っている人が多いですが、その考えはぜひ変えてください。
勝手に治ったというのは、はしかを根本的に治す薬がないから、勝手に治るのを待つしかなかったということです。これは現在でもまったく同じです。
それでも治ればいいですが、はしかは重度の合併症を引き起こすことがあります。特に幼児とか免疫系が弱っている人は肺炎とか脳炎を起こします。先進国でも感染すると1000人に一人は死亡してしまいます。
あと、妊婦さんが感染すると、流産、早産の原因になります。だから予防接種で感染しないようにしておくことがとても重要です」
中には、それで『はしかは大した病気ではない』と思っている人が多いですが、その考えはぜひ変えてください。
勝手に治ったというのは、はしかを根本的に治す薬がないから、勝手に治るのを待つしかなかったということです。これは現在でもまったく同じです。
それでも治ればいいですが、はしかは重度の合併症を引き起こすことがあります。特に幼児とか免疫系が弱っている人は肺炎とか脳炎を起こします。先進国でも感染すると1000人に一人は死亡してしまいます。
あと、妊婦さんが感染すると、流産、早産の原因になります。だから予防接種で感染しないようにしておくことがとても重要です」
日本で流行していなかった理由
予防接種は三種混合です。
吉田「はしか、おたふく風邪、風疹の三種混合のMMRワクチン、あるいははしかと風疹を予防する二種混合のMRワクチンを2回打ちます。そうすると有効率95%以上で、しかも免疫力は一生続きます」
日本ではしかの流行が収まっていたのはこうした予防接種のおかげだったようです。
吉田「残り5%は免疫を持たないけど、集団の大多数が免疫を持つことで集団免疫の状態になるので、ものすごく減っていた。
それが再び増えてきたので、いま医学界で大問題に浮上しています」
吉田「はしか、おたふく風邪、風疹の三種混合のMMRワクチン、あるいははしかと風疹を予防する二種混合のMRワクチンを2回打ちます。そうすると有効率95%以上で、しかも免疫力は一生続きます」
日本ではしかの流行が収まっていたのはこうした予防接種のおかげだったようです。
吉田「残り5%は免疫を持たないけど、集団の大多数が免疫を持つことで集団免疫の状態になるので、ものすごく減っていた。
それが再び増えてきたので、いま医学界で大問題に浮上しています」
はしかが増えてきた理由
最近の患者急増は、海外渡航者が原因と言われています。
吉田「まったくそうです。イエメン、カザフスタンなど、はしかが流行している国が多くあり、海外からウィルスが持ち込まれるケースが増えてきました。
さらにワクチンの接種率が低下してきたことも原因です。1歳の時に1回目のワクチンを打ちますが、接種率が95%に達していません。これは医学界で問題視されています。
なぜ受けさせない親御さんがいるかというと、ワクチンを打った後、脳炎になった方が二人いて、危険じゃないかということで心配されています。
ただ、全国の赤ちゃんの95%が打っていますから、偶然別の理由で脳炎になることは十分ありうることです。実際このふたつの例はワクチンとは異なるタイプのウィルスの遺伝子が検出されているので、多くの人がこれはワクチンとは関係ない可能性が高いと考えています」
吉田「まったくそうです。イエメン、カザフスタンなど、はしかが流行している国が多くあり、海外からウィルスが持ち込まれるケースが増えてきました。
さらにワクチンの接種率が低下してきたことも原因です。1歳の時に1回目のワクチンを打ちますが、接種率が95%に達していません。これは医学界で問題視されています。
なぜ受けさせない親御さんがいるかというと、ワクチンを打った後、脳炎になった方が二人いて、危険じゃないかということで心配されています。
ただ、全国の赤ちゃんの95%が打っていますから、偶然別の理由で脳炎になることは十分ありうることです。実際このふたつの例はワクチンとは異なるタイプのウィルスの遺伝子が検出されているので、多くの人がこれはワクチンとは関係ない可能性が高いと考えています」
経験者も要注意
ワクチンを打ってない世代があることも問題です。
吉田「1972年9月30日より前に生まれた人は一度もワクチンを打っていません」
すでにはしか、おたふく風邪、風疹を経験したという人は問題ないのでしょうか?
吉田先生「それも結構落とし穴があって、実際なったのは幼い頃なので、本人ははしかになったと思っていて、実は違う病気であったりするケースが結構あります。
ワクチンを打った方も1990年4月1日以前に生まれた人はワクチンを1回しか打っていません。この場合抗体が足りていない可能性があります。
ぜひ、抗体検査を受けていただいて、もし抗体不十分だったら、大人でもワクチン接種することを検討していただきたいですね」
吉田「1972年9月30日より前に生まれた人は一度もワクチンを打っていません」
すでにはしか、おたふく風邪、風疹を経験したという人は問題ないのでしょうか?
吉田先生「それも結構落とし穴があって、実際なったのは幼い頃なので、本人ははしかになったと思っていて、実は違う病気であったりするケースが結構あります。
ワクチンを打った方も1990年4月1日以前に生まれた人はワクチンを1回しか打っていません。この場合抗体が足りていない可能性があります。
ぜひ、抗体検査を受けていただいて、もし抗体不十分だったら、大人でもワクチン接種することを検討していただきたいですね」
予防方法
予防法は新型コロナウイルスと同じく、手洗い、うがい、アルコール消毒だという吉田先生。
吉田「去年になってはしかが世界的に増えてきたのですが、このタイミングで増えてきた原因はコロナが落ち着いてきて、感染対策をおろそかになってきたことが大きいです」
はしかは感染力が強く、かかると怖いですが、日頃の手洗いなど、そしてワクチンの接種によって予防することができます。
接種については一度医師に相談してみましょう。
(みず)
吉田「去年になってはしかが世界的に増えてきたのですが、このタイミングで増えてきた原因はコロナが落ち着いてきて、感染対策をおろそかになってきたことが大きいです」
はしかは感染力が強く、かかると怖いですが、日頃の手洗いなど、そしてワクチンの接種によって予防することができます。
接種については一度医師に相談してみましょう。
(みず)
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