北野誠のズバリ

抜いてはいけない!1本だけ長く伸びた眉毛の処理

歳をとると1本だけ眉毛が伸びたり、耳毛や鼻毛が伸びている人をよく見かけます。

3月8日放送のCBCラジオ『北野誠のズバリ』では「眉毛が1本だけ伸びている」(54歳・男性)という相談を取り上げました。
心療内科本郷赤門前クリニック院長で医学博士の吉田たかよし先生が、その理由や処理の仕方などを語ります。

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男女に差

詳しい相談内容を見ましょう。

「先日、顔を洗っていたら左の眉毛でたった1本だけ2cmほど伸びている毛がありました。しっかりとした毛です。
なぜその毛が頭の方にないのだろうとイラっとしましたが、歳を取るとこのように鼻毛、耳毛、眉毛が伸びるという話を聞きます。どうして加齢によって伸びるのでしょうか?」(Aさん)

そもそも中高年になると、眉毛も鼻毛も伸びるのは普通のことでしょうか?

吉田「男性には一般的によく起こる現象です。女性でも一部の人には同じような現象が起きていますが、男性ほど激しい変化ではありません。逆に、眉毛も鼻毛も伸びにくくなるという女性も多いです」

理由は「老化」

この理由を説明する吉田先生。

吉田「これは一種の老化反応です。すべての毛は毛根で作られていますが、これは3つの時期を繰り返しています。成長期に毛が伸びる。休止期に毛の成長が止まる。休眠期に毛は抜けた状態になっている。次の成長期がやってきたらまた毛が伸び始める。

毛根が老化すると、髪の毛の場合は成長期が短くなるから髪の毛の量が少なくなります。眉毛と鼻毛、人によっては耳毛はその正反対です。毛根の成長期が伸びて、作られる毛も多くなります。
均等に起こるのではなく老化現象なので、一部の眉毛、鼻毛が1本だけ伸びたりします」

相談者のように頭髪にしっかりした毛が生えず、眉に生えるというのは自然なことだそうです。

なぜ中高年になると伸びる?

なぜ中高年になると眉毛や鼻毛が伸びるのでしょう?

吉田「完全には解明されていませんが、中高年になると、男性は眉毛も鼻毛も伸ばす必要性があったということです。

実は、中高年になると毛根が力尽きて眉毛も鼻毛も本数は減っています。鼻毛が減ると、ほこりなど吸い込みますし、眉毛が減ると汗が目に入ります。
そうならないように、生き残った鼻毛、眉毛を太く長くして、毛が減った分を補っているわけです」

理にかなった老化現象だと説明する吉田先生。

抜かずに切る

その毛は抜くといけないのでしょうか?

吉田先生「絶対にやめてください。毛を無理に抜くと毛根に小さな傷ができて、そこに黄色ブドウ球菌などが入って炎症が広がることがあります。これを毛嚢炎といいます。

これまで大丈夫でも、中高年になると若い頃より免疫力が低くなり、それほど病原性が高くない細菌でも感染が広がります。

また、太い毛を抜くと毛根の傷が大きくなり、より毛嚢炎を起こしやすくなります。
特に鼻の中は雑菌だらけなので、鼻毛を抜いて毛嚢炎になると、細菌が血液の中に侵入して感染が全身に広がることもあるので、鼻毛は特に抜いてはいけません。切るようにしてください」

眉毛マッサージ

毛根の老化を止める方法はあるのでしょうか?

吉田先生「眉毛の毛根の老化を加速する最大の原因は血液循環が悪くなることです。その対策としてやっていただきたいのが、眉毛の毛根のマッサージです。

眉毛を親指と人差し指で上下につまんで揉むことです。眉毛に沿って皺眉筋という筋肉が通っていて、これを上下につまむと血流がよくなって、眉毛の毛根の血流もよくなります。
眉毛を左右につまむと逆効果になります。1日1分くらい揉むと効果があります」

ちなみに放送後に、番組にはこんなメールが寄せられました。

「勉強になります。運転しながら聞いていました。ちょうど信号待ちだったので眉毛マッサージをしていたら、対向車の男性も一生懸命眉毛マッサージしていました」(Bさん)

リスナー同士の無言の交流が感じられてほほえましい光景ですね。
(みず)
 
北野誠のズバリ
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2024年03月08日14時14分~抜粋

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