北野誠のズバリ

開発がストップして放置状態!「限界分譲地」の問題点

3月2日、『限界分譲地 繰り返される野放図な商法と開発秘話』(朝日新書)著者の吉川祐介さんが、CBCラジオ『北野誠のズバリサタデー』に出演しました。

自ら限界ニュータウンに住む吉川さんは、100か所以上の取材を元に、YouTubeやブログで歴史や現状の問題点などを発信しています。

開発が止まって放棄された状態の土地が日本のあちこちにある今、どのような問題点が浮かび上がってきているのでしょうか?

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限界分譲地とは?

「限界分譲地」というのは吉川さんの造語です。
名目上は宅地や別荘地として販売された分譲地ではあるものの、実際には投機目的で購入した人が多く、結果的に地価が上がらずに家が立たないまま半世紀近く放置されている分譲地のことを指します。

バブル崩壊より前、日本では土地神話が広がり、貯蓄の手段として土地を買っていた人が少なくありませんでした。

更地についてはほとんど値段がつかず、公示地価も下落の一途をたどっているため、放置されている場所がほとんどなのだそうです。

持ち続けた方がマシ?

固定資産税がかかるので売りに出せばいいのにと思う人も多いと思いますが、そう簡単にはいかないそうです。

吉川さん「よっぽど安くすれば(売れるかもしれない)。ただ正直、何十万も買おうとは思わないですね。

(すでに持っている人からすると)例えば自宅のすぐ近くとかであれば、ちょっとした更地とかでしたら使い道がないことはないんですよ。駐車場にしたり、物置を置いたりしたり」

二束三文で売るぐらいなら、持っておいた方がマシという場合もあるようです。

吉川さんによりますと、80年代後半ぐらいに作られた分譲地は1区画が広く、道路幅が広いなど良い条件の場所であれば、新築のニーズがあるようですが、古い分譲地の多くは1区画が狭く人気がないとのことです。

限界分譲地を購入する動きも

一部の分譲地は新築向けに人気があるそうですが、ネックとなるのが生活の便利さ。

運転手の人手不足でバス路線が減り、少子化で学校も減っている中で、どんどん不便にはなっているのですが、一方で資材価格が高騰しているため、土地代を節約するために限界分譲地に人が流れる動きもあるそうです。

ただ、このような場所は基本的に自動車が必要で、高齢になって運転できなくなると、自宅を置いたまま施設に入られるケースもあり、それが結果的に空き家になるという事態も起きているようです。

処分の仕方に困る

その限界分譲地、手放そうとしている人に対して、土地の処分に困った人を狙う悪徳商法が横行していたり、価格が安すぎて仲介してくれる不動産屋さんがいなかったりと、新たな問題が発生しているそうです。

吉川さん「限界分譲地に限った話ではないんですけれども、空き家にしろ空き地にしろ、処分を持て余している方は処分の仕方がわからなくて悩まれたり、金銭的な問題を含めて処分する能力がない。

そういう方に懲罰的な課税をしたところで、本当にただの罰にしかならないんですよ」

相続土地国庫帰属制度という、不要な土地を国へ渡す制度ができていますが、一般の方が簡単に手続きできるものではないそうです。

北野は不要となった土地について、もっと国が受け入れる仕組みを作らなければならないのではないかと苦言を呈しました。
(岡本)
 
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2024年03月02日10時30分~抜粋

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