北野誠のズバリ

松本人志さんが芸能活動休止、裁判のポイントを弁護士が解説

1月8日、お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志さんが活動休止を発表しました。

きっかけは昨年12月に『文春オンライン』(文藝春秋)で報じられた性加害疑惑。

記事によると、2015年に高級ホテルで飲み会を催した際、ある女性に性的な行為を迫ったとのことですが、直後は松本さんが所属する吉本興業が全面否定し、松本さんも12月28日にX(旧Twitter)で報道を否定するニュアンスの発言を投稿していたものの、裁判に注力するとの理由で活動休止の発表となりました。

1月13日放送『北野誠のズバリサタデー』では、裁判の争点はどこにあるのかなどについて、オリンピア法律事務所の原武之弁護士が解説します。

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裁判の目的は?

松本さんが活動休止を決めたことについて、北野は「他の人に迷惑をかけないという意味では、良かったなと思うんですよ」とコメント。

北野「たぶんテレビ局も吉本興業もスポンサーもみんな含めて、推定無罪とはいえ、この状態の中で他の出演者もどうしゃべっていいかわからない」

では、どのような部分が裁判の争点として考えられるのでしょうか?

原「名誉毀損をやろうとしてると思うんですよね。今後の記事の差し止めと、今までのことによる慰謝料を請求するんだと思います」

裁判で訴える先が文藝春秋となると、訴えられた側はどのような対応が必要となるのでしょうか?

原「文春は報道した内容が真実であると、少なくとも徹底した取材をしているということを主張しないといけない。それができるかどうかというのが焦点で、文春は今のところ取材に自信があるというコメントを出してますね」

訴えられた側がすべきこと

ただ、何をもって徹底した取材をしたということになるのか、その点が気になると語る原弁護士。

原「ちょっとよくわからないのが、自信があるといっても被害者供述以外にどんな証拠があるのかと思うんですね。ましてや8年前で。

文春が調べたのは被害者側と言われている女性だけだとすると、徹底した取材といってもどこまで立証できるのかなと。立証という点では気になりますよね」

北野「名誉毀損で訴えられた文春側が、この話は真実相当と裁判所に認定してもらわないといけないんですよね」

原「そうです。徹底した取材をして、証言を経て、そこに嘘や矛盾もないし、裏付けとなる客観的な証拠もありますと。
そこまで言って、初めて真実を担保するだけの取材をしていると言ってもらえるんですけど、それができるのかと」

裁判の争点は?

松本さん側は今後どのような訴えを行うと思われるのでしょうか?

原「松本さん側の弁護士は、おそらくそこ(十分な取材をしていると文春側が証明すること)ができない、そこをつぶすということで、男性側の意見陳述とかを捉えて、事実の詳細な経過の流れを作ると思うんですよ。

そうすると事実の流れが2つできるので、裁判所はどっちが矛盾していないか、客観的なLINE(飲み会の前後に双方で送り合ったメッセージの内容)とかと一致しているかというのが真偽対象となる。相当細かい事実経過が裁判の焦点になる」

女性からの告訴が困難な理由

今回の裁判はあくまでも松本さんと文春の間のものと考えられますが、一方で、被害者とされる女性が強制わいせつ罪や不同意性交罪で、松本さんなどを告訴することはあるのでしょうか?

原「時間が経ち過ぎているということがあって、刑事事件は民事事件よりも立証のハードルが高いんですね。

普通はその日や翌日に病院とかに行って、裂傷があるかとか、中にはDNA鑑定するとかあるんですけど、8年前だと立件できないんじゃないかと。そうすると告訴しにくい。

立件できないと民事も相当不利になりますから、女性が動きにくいだろうなと」

文春は女性に証言台に立ってもらうように依頼しなければならない可能性があります。

原「女性に対する心理的負荷がすごく問題になると思うんですよね。ここまで世論を騒がせたとなると、相当なプレッシャーですから。

本当に事実だとしたらセカンドレイプみたいになってしまう可能性もあるから、慎重にならなければいけないけど、(もし真実でなければ)男性の名誉の問題もあるので、相当難しい裁判になるし、しゃべれるのかなっていう」

裁判のポイント

文春オンラインで第1弾を報じた後、松本さんなどが記事の内容を否定したため、先日大阪や福岡でもホテルで飲み会が行われていた、という第2弾が報じられました。

その記事を受けて、ホテルでの飲み会に同席していたたむらけんじさんがテレビ番組で語ったところによると、飲み会を開いたことは認めながらも、性加害にまつわる行為は否定しています。

原「パーティー自体はご自由にどうぞなんですけど、そこよりも個室に入ったりした時に乱暴があったかどうか。
普通は犯行の後と前の変化が重要になってきて、それほど変化がなかったんだとすると、本当にそういう行為があったのかどうか。
突然8年後に言われるというのは、相当ハードルが高くなるんですね」

最後に原弁護士は「これまでの8年間でその間に受診をしているとか、被害があったことを他の人に言っている、LINEがあるとか、そういうものが出てくるかどうかがポイントだと思いますね」とまとめました。
(岡本)
 
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2024年01月13日09時21分~抜粋

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