北野誠のズバリ

海外渡航者は要注意!トコジラミの被害が拡大のおそれ

最近、トコジラミによる被害が日本でも急激に問題視されてきています。

フランスなどヨーロッパでは今年の夏から秋にかけて、トコジラミの大量発生や被害が報告されたのに続き、韓国でも最近被害が相次いでいるとのこと。

日本でも最近増え始め、東京都保健所によりますと2021年度は相談が281件あり、15年前の4倍ほどに拡大。

韓国ではトコジラミは荷物に紛れる形で流入しているとみられ、日本でも今後増加する恐れがあるとのことです。

12月9日放送『北野誠のズバリサタデー』では、本郷赤門前クリニック院長で医学博士の吉田たかよし先生が、トコジラミへの対処法などをわかりやすく解説しました。

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トコジラミって何?

トコジラミという名前からシラミの1種のように聞こえますが、実はカメムシの仲間。

ただ、体長が5mmほどしかないため、見た目はカメムシよりシラミに似ているというわけです。

ベッドのすき間などに隠れていることから、「寝床にいるシラミに似たもの」ということでトコジラミと呼ばれているそうです。

かつて「南京虫」というものがいましたが、これの1つだそうです。

北野は「南京虫はかなり前にDDTという殺虫剤によって絶滅したのではないか?」と思っていました。
しかし、1950年代に絶滅寸前まで行ったものの、DDTが人体に被害を及ぼすという研究結果で使用禁止となり、実は南京虫は絶滅はしていませんでした。

刺されたらどうなる?

トコジラミは人間の血を吸って栄養源にしているのですが、血を吸う際に血液が固まるのを防ぐ唾液を注入し、蚊と同じでそれがかゆみにつながっています。

ただ、トコジラミの場合は蚊と違って飛べないため、逃げるための時間稼ぎのために、数時間から数日経ってかゆみが出るのだそうです。

また、1回で吸う量が少ないことから何回も吸うため、何か所も赤い斑点ができてしまうのも特徴です。

かゆみ自体は2週間以内に自然に収まるものの、ぜんそくを誘発したり、全身に蕁麻疹が広がったりするため、注意が必要です。

さらにはかゆみを恐れて寝ることが怖くなり、不眠症やうつ病につながる危険があるとのことです。

なぜいまトコジラミが増えている?

最近になってトコジラミが増えていることについて、コロナ禍が開けて世界規模で海外旅行が増えてきたことを一番の原因として挙げた吉田先生。

実はトコジラミだけではなく、ジアルジア症やトキソプラズマ症、赤痢アメーバ症といった原虫症が増えてきており、これらも日本にどんどん入ってくることが懸念されているとのことです。

また、最近では通常の殺虫剤が効きにくい、耐性のついたスーパートコジラミが現れてしまい、従来の1,000倍の威力の殺虫剤が必要だそうです。

こうなると家に絶対入れないようにしたいところですが、何か対策はあるのでしょうか?

トコジラミがやってくる可能性が最も高いのが、海外旅行から帰ってきた時にスーツケースにくっついていること。

そのため、帰国後にスーツケースをビニール袋で密閉し、万が一、トコジラミがいても拡散しないようにするのが重要とのことです。

トコジラミは熱に弱い

また、服にくっついて入ってくることもありますが、トコジラミは熱に弱いため、乾燥機を高温に設定した上で30分乾燥させたり、スチームアイロンを60度で10分当てると駆除できるそうです。

海外に行く予定のない方でも、ネットで海外の服を購入したりすると、服にくっついている可能性があるので、取り扱いに注意が必要です。

吉田先生は「特に寝室の整理整頓をすることが大事で、トコジラミは5mmと目に見えるものなので、目で見てわかるぐらい整理整頓をしておくこと」とアドバイスし、もし刺された場合でも「自然に治るので通常のかゆみ止めで良い」とまとめました。

年末年始に海外旅行に行く方もいらっしゃるかと思われますが、帰国後の対処が重要なようです。
(岡本)
 
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2023年12月09日09時44分~抜粋

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