北野誠のズバリ

住宅ローン、頭金が貯まるまで待つと逆に損する?

『北野誠のズバリ』月曜日に放送されているコーナーが「ズバリマネー相談室」。
保険、貯蓄や税金、節約など、お金に関するさまざまな悩みや疑問に対し、ファイナンシャルプランナーが回答しています。

12月4日の放送では、これから住宅ローンを組む方に向けて、小宇佐・針田(こうさ・はりた)FP事務所の伊藤勝啓さんがアドバイスしました。

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住宅ローン金利は上昇傾向

今回、番組で取り上げた相談は、次のとおりです。

「最近、ニュースか何かで住宅ローンの金利が上がっているというようなことを耳にしました。
我が家はあと少しで住宅ローンの返済が終わるのですが、息子夫婦が近い将来、住宅ローンを利用してマイホームを考えているので、気になっています。

また、貯金があまりないようで、頭金を貯めてから購入した方が良いのかなども知りたいです」

伊藤さんによれば、実際に住宅ローンの固定金利は最近上がっているそうで、例えば有名なフラット35では、融資対象額の9割以内の借入だと、この8月は1.72%で12月は1.91%。
わずか4か月で0.2%近くも上がっている計算になります。

ちなみに1年前の12月は1.65%、2年前は1.33%と、ここ数年で結構上がっていることがわかります。

頭金を貯めている間に金利が…

早く借りた方が良いと考える方も多いかもしれませんが、頭金を貯めてから借りた方が、借入金が少なくなる分、楽に返せそうなイメージがあります。

例えば、3,000万円を金利1.96%で借りる場合、10年返済だと総額で約3,306万円、20年返済で約3,628万円、30年返済で約3,970万円返すことになります。

このケースで、毎月5万円ずつ貯めて1年後に頭金60万円を払い、その間に仮に金利が1.96%から0.2%上がった場合、1年後に2,940万円借りたとしても、10年返済では約3,271万円の返済となり、25万円ほど余分に払うことになります。

これが20年返済だと約55万円、30年で約87万円も多く払うことになります。

つまり、頭金を貯める間に金利が上がってしまうと、逆に損をすることにもなりかねません。

返しすぎると逆に損?

もし、最初から頭金が1,000万円あれば10年返済だと81万円、20年返済だと164万円、30年返済だと251万円の負担が減りますが、これから頭金を貯めようとしている方は、必ずしも頭金が貯まるまで待つのが得とは限らないようです。

伊藤さん「今後の金利動向にもよりますが、どちらかというと上昇傾向にありますし、いざ住宅ローンで借り入れしようとした際にはより金利が上がってしまうと、先程の60万円の頭金を入れた場合のように、かえって負担が増えるということが想定されますね」

ただ、頭金がすでにたくさん用意できる方でも、できるだけ頭金を払えば払うほど良いとは限らないそうです。

伊藤さん「先程の1,000万円の頭金を入れた場合のように、計算上は負担が減っていましたが、金利の動き具合もそうですし、あとは住宅ローン金利より高い利回りの資産運用ができるなどの前提があれば、頭金を入れるよりはその分、資産運用に回して家計全体としてよりメリットを得られる方策を採用するのが良いですね」

さらに北野は、住宅ローンに保険を付けることによるメリットもあるため、早く返すのが良いとは限らないとも語りました。
(岡本)
 
北野誠のズバリ
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2023年12月04日14時13分~抜粋

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