北野誠のズバリ

ねんきん定期便に書かれている見込額、去年より減ったのはなぜ?

毎年届く「ねんきん定期便」。
将来もらえる年金見込額をチェックしてみたら、毎年年金を払い続けているのに去年より見込額が減った、という経験はありませんか?

「やっぱり国は年金を減らそうとしている?」と考える前に、いま一度、その理由を確認する必要がありそうです。

11月27日放送『北野誠のズバリ』の「ズバリマネー相談室」では、年金見込額が減った理由を知りたいという質問に対し、小宇佐・針田(こうさ・はりた)FP事務所のファイナンシャルプランナー、徳山誠也さんが回答しました。

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封筒とハガキの違い

今回、番組で取り上げた質問は50代男性からのもので、次のとおりです。

「届いたねんきん定期便を見ていたら、記載されている受け取れる年金額が昨年と比べて少しですが、減っていることがわかりました。

私は会社員として働いていて、当然厚生年金も変わらず払っているのですが、そんな中で年金額が減るということはあるのでしょうか?
これから先も下がるのかどうか不安なので、原因を教えていただけないでしょうか?」(Aさん)

ねんきん定期便はハガキで毎年送られますが、35歳、45歳、59歳の時だけは封書で届きます。

封書の場合は細かい内容が記載されていて、これまですべての年金加入状況などが記載されています。

また、ハガキの場合も年齢によって記載内容が変わっていて、50歳未満の場合はこれまでの加入実績に応じた年金額が記載されているため、まだ若い方だとかなり金額は少なく出てしまいます。

これが50歳以上になると、受け取れる見込額が記載されるようになります。

なお、ねんきんネットを使うと、封書の時しか見られない細かな内容も見ることができますが、そのためにはねんきん定期便に書かれているアクセスキーが必要で、有効期間はハガキが届いてから3か月間だけと決まっていますので、注意が必要です。

年金の見込額が減るパターン

見込額は、今の状態で60歳まで年金を払い続けたものとして計算されるため、昨年と比べて何か変更があれば、見込額も変わります。
では、Aさんのように見込額が減るのには、どのようなケースがあるのでしょうか?

徳山さんがまず挙げたのが、昨年と比べて収入が下がった場合です。
収入が下がると、保険料の基準となる標準報酬月額や標準賞与額が下がるため、保険料は安くなりますが、見込額も下がる場合があります。

他の原因としては、年金を何か月払ったかによって見込額が変わるのですが、令和5年の送付以降からは、見込額の計算方法が少し変わったそうです。

以前は加入期間の月数は小数点第1位を四捨五入した上で見込額を算出し、さらにその見込額に小数点以下の端数が出れば切り捨てて印字していました。

これが今年9月の送付分からは、月数は四捨五入せずにそのままで見込額をいったん計算し、その結果を四捨五入したものを印字しています。

つまり、人によっては月数が今までより少なく計算される可能性があるため、わずかながら見込額が少なくなることがあるようです。

といっても、そこまで大きく金額は変わらなさそうです。

また、過去の年金記録を訂正した場合も、見込額が減るケースがあります。

過去に「消えた年金問題」というのがありましたが、徳山さんは改めて「ねんきん定期便に書かれている加入状況は確認したほうが良い」とアドバイスしました。
(岡本)
 
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2023年11月27日14時12分~抜粋

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