北野誠のズバリ

江戸時代末期と現在の日本は似ている?

『北野誠のズバリサタデー』(CBCラジオ)の「ズバリこの人に聞きたい」コーナーでは、話題の本の著者にインタビュー。

10月28日の放送では、『浮世絵と芸能で読む江戸の経済』(笠間書院)の著者でライターの櫻庭由紀子さんが、徳川家康の町づくりについて解説しました。

この本では浮世絵や歌舞伎、落語や着物、陶芸などの文化を通じて、江戸の町の成り立ちや、260年あまり続いた江戸時代の経済の歴史をわかりやすく解説しています。

歴史上、昔の話ではありますが、実は現在の日本と多くの共通点があるそうです。

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何もない所からの街づくり

櫻庭さんがこの時期に江戸時代の経済に興味を持ったのは、現在放送中の大河ドラマを観て「あらゆるものがない状態で、どのようにして家康は江戸を成り立たせたのか?」と考えられたのがきっかけ。

家康が街づくりを始めようとした頃の江戸は、今とはまったく異なる様相でした。

北野「江戸って、当時はものすごい湿地帯やったと思うんですけども」

櫻庭さん「すごく湿地帯で、今はビジネス街の日比谷あたりも海で、閑散とした漁村だったそうです」

家康は何を参考にして街づくりを行なったのでしょうか?

櫻庭さん「家康は(織田)信長を見てきているので、安土城の城下町を見本としてがんばったんじゃないかなと思います」

家康は現在の神田や日本橋あたりにあった山を切り崩し、日比谷などの辺りを埋め立てたり、江戸城の城下町を盛ったりしていたそうです。

また、神田や日本橋の辺りは切り崩されて江戸城よりも低くなったことから「下町」となったそうです。

税金はどうなっていた?

広大な土地は切り崩しによって確保できたものの、街づくりには何といってもお金がかかりますが、資金はどこから捻出できたのでしょうか?

櫻庭さん「関ヶ原の戦いで家康は佐渡金山と石見銀山を手に入れましたので、そこの豊富な金銀を使ってお金を作り始めました」

現在のような住民税はあったのでしょうか?

櫻庭さん「当時は人を集めなきゃいけないっていうところもあったと思うんですけれども、住民税はどうも非課税だったらしいんですね。

物資が集まったということで、当然そこに仕事ができますから、職人達も呼んでますので、おのずから人が集まる街をつくっていったんではないかなと思います」

江戸時代の街についてよく言われるのが、世界レベルで見ても清潔だったということですが、これは本当なのでしょうか?

櫻庭さん「そうなんです。今も話題になっているSDGs、それが江戸の頃からすでに発達していまして、物がなかったのでどうしてもリサイクルして使わないと足りないので」

下水道の整備や糞尿の肥料化など、清潔でありリサイクルが進んでいる都市だったようです。

現代で繰り返す?

ただ、江戸末期に財政がひっ迫していく様子は、現在の日本がよく似ているそうです。

幕府にお金がなくなるにつれて、倹約に励んだり悪い質の貨幣を流通させたりして、さらにダメになっていく様子が、何やら現在の日本に近いとのこと。

その前に江戸の文化が華開き、歌舞伎などにとんでもないお金を使う人が出てきたりする様子は80年代のバブルに似ていますし、長い間戦乱がなかったのは、戦後から戦争に巻き込まれなかった点と似ています。

北野は「五公五民に対して一揆が起きた」という点を持ち出しましたが、今はSNSで「増税メガネ」という意見が噴出して反対意見が多数出ています。

さらに今後、黒船のような外圧で日本が大きく変わるなんてことはあるのでしょうか?
(岡本)
 
北野誠のズバリ
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2023年10月28日10時29分~抜粋

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