北野誠のズバリ

10月から「インボイス制度」開始!反対の声が多いのはなぜ?

10月から「インボイス制度」が始まりますが、売上1,000万円以下の免税事業者が、今後は取引から排除されるのではないかの懸念が広がっています。

『弁護士ドットコム』のWeb記事によれば、フリーランスで働いている事業者の中には、すでに取引先から「免税事業者を続ける場合は、10%の消費税分を取引価格から引き下げる」という通告を出されたケースがあるそうです。

あくまで事業者間の取引の話に見えますが、実はこの「インボイス制度」、わずかながら来春からの電気代上昇にもつながっているそうです。

9月9日放送『北野誠のズバリサタデー』では、「インボイス制度」の課題について、オリンピア法律事務所の原武之弁護士が解説しました。

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消費税の横取り?

「インボイス制度」導入に肯定的な人たちの意見は、「免税事業者は今まで消費税を横取りしていた」というもの。

北野「所得税でまあまあ取られている」

原「売上に対する消費税がすべてではなく、仕入れに払う物に対して消費税がかかっているため、1千万円以下の事業者に対して(消費税分をもらっている金額は)そう多くはない」

ただし消費税の支払いを免れるため、3年ほど個人事業主として隠れ蓑にし、後に法人に切り替えるといった、節税というよりも脱税と取られかねない行為をしている悪質なケースも見受けられるとか。

原「それで(消費税の免税制度の)イメージが悪くなったんだと思います」

免税事業者だと、消費税分は取引先が負担しないといけません。
そこで取引先から「インボイスの登録をして課税事業者にならないと取引しない」と宣告され、その結果、今までよりも手取りが減ってしまうことが問題というわけです。

登録の強制は問題

取引先が事業者に登録するように促すケースが増えてきているとのことですが、この事業者の態度について、公正取引委員会は「優越的地位の濫用」や価格の一方的な下げは契約違反ではないかと見ています。

また「インボイス制度」への登録は義務というわけではありません。
財務省は「登録してもしなくても良い」という立場のため、建前上はどちらでも良いのですが、実際の取引では登録せざるを得ない、でも事業者側から単価を上げる交渉はしづらいという状況です。

また、事業者の間でもいろいろと問題があります。

例えば飲食店で食事代をして経費とする場合、その飲食店がインボイスに登録していなければ経費として認められにくく、「それなら、インボイスに登録した飲食店を選ぼう」という動きが起きる可能性があります。
個人や家族で細々と事業を行っている店舗だと、インボイスへ対応は厳しい状況です。

「インボイス制度」は以前から周知されてはいましたが、電気代やガソリン代が上がる状況で、さらに利上げの可能性が高まってきた現状で、「タイミングが悪かった」と語る原弁護士。

今後、小規模な事業者には混乱が続き、倒産や廃業が増える可能性もありそうです。
(岡本)
 
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2023年09月09日10時50分~抜粋

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