北野誠のズバリ

徹夜は寿命が縮める!最適な睡眠時間はどれくらい?

CBCラジオ『北野誠のズバリ』の「中高年よろず相談室」では、心療内科本郷赤門前クリニック院長で医学博士の吉田たかよし先生が、リスナーからの健康相談に答えます。

8月18日放送のテーマは「徹夜はどれほど身体に悪い?」。
夏はつい仕事や遊びで徹夜となることも多く、寝不足になりがち。寝不足は健康にどのように影響があるのでしょうか?

聞き手は北野誠と氏田朋子です。

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徹夜は寿命を縮める?

まず、相談の詳しい内容を見てみましょう。

「高校生の娘がある歌手にハマっているみたいで、先日東京を深夜バスで往復しました。
行きはほぼ寝られず、帰りはライブ終わりだったので、テンションが上がって寝られず。朝、帰ってきてから死んだように寝ていました。さすが若いからできることだと思いました。

夏は徹夜で盛り上がることも多いと思います。この徹夜、身体にはどのような影響があるのでしょうか?」(48歳・男性)

北野「昔よく『1日徹夜すると100日寿命が縮まる』とか言ってましたが、どうでしょうか」

吉田「明確に100日かどうかはわかりませんが、やはり寿命を短くしている効果は間違いないです」

徹夜は体に悪い?

具体的にどのような影響があるのでしょうか?

吉田「まず記憶力、判断力、脳の認知機能は低下しますし、免疫力が低下して、風邪などに感染しやすくなります。

ネズミを眠らせない実験をしました。1週間から3週間眠らせないとすべて死亡しました。最終的な死因はウイルスや細菌による感染症でした。

また徹夜を繰り返すと、発がん率が上がるというデータも出ていて、やっぱりこれも免疫力が低下して、がん細胞を除去するという能力が低下することが原因です。

あと、徹夜すると血圧が跳ね上がります。心筋梗塞、脳梗塞の原因になるので、よくないことはいっぱいあります」

寝れば回復する?

北野「ひと晩くらいならしっかり眠れば問題ないですか?」

吉田「これは個人差がとても大きいです。例えば、聖路加病院の医院長を務められた日野原重明先生は、短い睡眠でも平気なショートスリーパーで、96歳まで一週間に一度は徹夜されていたけど、とても健康で105歳まで長生きされました。

その一方でワシントン大学の研究で、アルツハイマー病になりやすい体質の方はひと晩徹夜しただけで、ほんの少しではあるがアルツハイマーの原因となるタウ蛋白が増えるというデータが出ています。

香港大学の研究では、ひと晩徹夜しただけで遺伝子が壊れやすくなるというデータも出ています。

だから、がんになりやすい体質の人はひと晩徹夜しただけでも、わずかではありますが、がんのリスクを高めてしまいます。

日野原先生はたまたまどちらの心配もない方でしたが、みなさんその保証はないわけだから、やはり徹夜は避けた方がいいです」

ショートスリーパーは営業向き?

北野「ショートスリーパーとか、ロングスリーパーの仕組みはどうなっていますか?」

吉田「短い睡眠時間でも大丈夫なショートスリーパーと、長い睡眠時間必要なロングスリーパー、その中間の人といますが、かなり遺伝子で決まっていることがわかってきました。

ショートスリーパーの遺伝子を持っていると脳が環境に順応しやすいです。だからどんな状況になってもあまりストレスを受けずに順応するので、短い睡眠時間でも脳がリカバーできる。仕事でいうと、経営者や営業職に向いています」

7時間半が平均的

吉田「ロングスリーパーの代表例はアインシュタインです。この遺伝子を持っていると、周りの環境に流されずに自分の考え方、感じ方を変えない。独自の世界を追求するので深い思考ができます。

その分、脳にストレスがかかるので、リセットには長い睡眠が必要です」

北野「自分がどちらか見極めないといけないですね」

吉田「自分にあわせた睡眠時間をしっかりとっておくことが必要です。7時間半が平均的な人です。だいたい人口の80%がこれに入ります。はっきりとしたデータがなければ7時間半の睡眠がおすすめです」
(みず)
 
北野誠のズバリ
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2023年08月18日14時13分~抜粋

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